第三章
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「塩はです」
「口にしなくてはな」
「ならずまたあると必ず売れるので」
「利にもなるな」
「左様です、ですから」
「塩をだな」
「私は大事に思い」
そうしてというのです。
「お父様をです」
「塩より大切に思っているか」
「そうなのです」
「わかった、そなた達は見事だ」
王様は四人の子供達に笑顔で答えました。
「実にな、しかしだ」
「しかし?」
「聡明なだけでは駄目だ」
こう言うのでした。
「そのことを言っておこう」
「といいますと」
「それは一体」
「そなた達一人一人では力に限りがある」
こう子供達に言うのでした。
「どうしてもな」
「幾ら聡明でも」
「そうであってもですか」
「左様、そなた達も人間だ」
だからだというのです。
「人間はどうしても力に限りがあり」
「神でないからですか」
「だからですか」
「そうだ、所詮人間とだ」
「その様に言えますね」
「人間なら」
「如何にも、だからだ」
それでというのです。
「そなた達は何が必要か」
「争わないことですね」
「力を合わせることですね」
「私達四人がそれぞれ」
「そうあるべきですね」
「そうだ、余の跡を継ぐ王子を軸にしてだ」
そうしてというのです。
「仲良く一つにまとまりな」
「そうしてですね」
「共に助け合ってやっていくことですね」
「そうしてこの国を治めていく」
「そうすることですね」
「そうだ」
子供達にその通りだと答えました。
「如何にもな」
「左様ですね」
「ではですね」
「私達はですね」
「聡明さに加えてですね」
「仲良くまとまることだ」
子供達に穏やかで優しいですが確かな声で答えました、そうしてです。
王子も三人の王女達も確かな表情で頷きました、そうして四人で仲良く助け合って国を治めて国をとても強く豊かな国にしました、ハンガリーに伝わる古いお話です。
王様が賢い子供達に教えること 完
2022・10・16
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