第一章
[2]次話
王様が賢い子供達に教えること
ハンガリーの古いお話です。
当時この国にとても聡明だという三人の姫達がいました、一番上の姫は見事な金髪を持っていて金髪の姫と言われていました。二番目の姫は青い目がとても奇麗で青い目の姫と言われていました。三番目の姫はとても色白で白い肌の姫と言われていました。
三人はそれぞれ学問が好きでかつ頭の回転が早く父親である王様そして三人の兄であり勇敢で妹達にも負けない位聡明である兄である王子をいつも助けていました。
そんなある日のことです、王様は四人の子供達に尋ねました。
「そなた達わしを愛しておるか」
「はい」
四人は笑顔で答えました。
「勿論です」
「そうか、では何よりも深く愛しておるか」
「まずは私が申し上げて宜しいでしょうか」
勇敢で優れた武人である王子が最初に申し出ました。
「そうしても」
「そなたは兄弟で一番の年長でありしかも余の跡を継ぐ」
王様はとても大きな体できりっとした顔立ちの王子に笑顔で答えました。
「ならだ」
「最初にですね」
「言うのは当然だ」
こう言うのでした。
「まさに」
「それでは」
「うむ、申してみよ」
「私は父上を書より深く愛しています」
「書か」
「はい、戦に勝つにはです」
王子は得意とするそちらのお話をしました。
「戦の仕方を知ることが一番です」
「戦の書を読むことか」
「陣や地形、敵の動きをどう察してどういった武具を用いるか」
「それを書で学ぶことか」
「剣や槍を幾ら上手に使えても知れています」
そうだというのです。
「それは確かに一人が強くなりますが」
「戦に勝つにはか」
「それよりも戦を知ることです」
それが一番だというのです。
「だからこそです」
「書か」
「そしてその書よりもです」
「そなたは余を愛しておるか」
「左様です」
玉座に白いお髭を生やした王様にキビキビとした口調と仕草で答えます。
「そう申し上げます」
「成程な、ではだ」
王様は王子の言葉に頷いてでした。
金髪の姫にです、お顔を向けて問いました。
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