第三章
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「似合ってるならいい」
「ターリャさんスタイルいいからね」
「足もすらりとして長いし」
「制服のミニスカも似合うけれど」
「ズボンもいいわよ」
「ではこれを買おう」
こう言って実際に買った、それでまた言うのだった。
「いい買いものをした、では後は本屋に行かないな」
「それで本買うの」
「そうするの」
「こちらの世界のラノベとな」
それにというのだ。
「漫画だ」
「特にボーイズラブね」
「そっちを買うのね」
「谷崎潤一郎の卍と春琴抄も買いたい」
純文学もというのだ。
「あの作家は最高だ」
「いや、谷崎はね」
「やば過ぎるから」
「女の子が読むには」
「まして天使が」
「あの耽美がいい」
だがターリャは言い切った。
「ボーイズラブもいいが」
「そっちの耽美もいいの」
「谷崎的なのも」
「そうなの」
「そうだ、だから買う」
谷崎の作品もというのだ。
「どちらの作品もな」
「そうなのね」
「天使が谷崎を読むのね」
「滅茶苦茶意外ね」
「イメージが違うわ」
自分達が抱いていた清楚か若しくは苛烈なまでに厳格な創作の世界で出て来る天使と、とだ。だがターリャは実際にだった。
そうした作品を買って読んだ、それで言うのだった。
「実にいい」
「ボーイズラブも谷崎も」
「どっちもなの」
「うむ、今度は泉鏡花を読もう」
この作家の作品をというのだ。
「何でもこちらもいいらしいからな」
「ああ、鏡花も耽美よね」
「そうよね」
「ターリャって本当に耽美好きね」
「そうなのね」
「あちらの世界でもな、では今度はその作家の作品だ」
こう言って実際に鏡花の作品も買って読んだ、兎角だった。
ターリャはカレーに耽美の作品を読み部活も励んだ、その部活はバレー部であるがここでも言うのだった。
「ブルマはないのだな」
「それ昭和だから」
「今はないわよ」
「半ズボンよ、今は」
「それかスパッツよ」
「というか飛ばないのね」
部員達は逆に彼女に言った。
「天使なのに」
「翼出してね」
「そうしたら有利に試合運べるのに」
「そうしないのね」
「そうなのね」
「卑怯だからな」
だからだとだ、ターリャは答えた。
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