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ユニオンジャック
第四章

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「やっていこうな」
「昔は昔でな」
「今は今か」
「何かを続けるには考えていかないとな」
 マッケーシーは脳裏にユニオンジャックを思い浮かべつつ言った、赤と青と白のその誰もが知っている旗を。
「変に順序付けたり無理に我を張ったりな」
「そんなことはしないことだな」
「四国全部がな」
「そうだな、ユニオンジャックが好きなら」
「そんなことはしないことだな」
 四人でこんなことを話してだった。
 共に講義を受けた、そうして昼は共に食堂で食べたが。
 傍にいる日本からの留学生が暗い顔をしていることに気付いた、それでどうしてか尋ねるとこう言われた。
「いや、イギリス中旅行してこの大学のご飯も食べてるけれど」
「イギリス中か」
「ってことはスコットランドもウエールズもか」
「それでアイルランドもか」
「全部旅行したのか」
「そうしたけれど全部ね」 
 それこそというのだ。
「口に合わないね」
「おい、四国全部か」
「料理まずいのか」
「我が国はよく言われるが」
「全滅か」
「どうもね」
 日本からの留学生は彼から見ると質素どころではない食事を食べつつ四人に言った。
「僕には合わないよ」
「こうしたところは同じか」
「四国共」
「食事は完全にユニオンジャックだな」
「全くだな」
 四人はやれやれとなった、そのうえで考えてみたがやはり四国共料理の評判は世界的に悪かった。それで旗はここでは守られているなとジョークで言ったのだった。


ユニオンジャック   完


                   2022・12・12
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