第百三十七話 邪神、封じられるのことその十二
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
「だがな。確かにやったぜ」
「はい、では」
「俺達の戦いがまた一つ終わったな」
清々しい笑みになってだ。覇王丸は述べた。
「やったぜ、本当に」
「これで邪神は」
「消エル・・・・・・」
邪神の最後の声だった。この声を発し。
煙の様に消えていく。そうしてだった。
邪神アンブロジアは戦士達に囲まれた中で消え去った。それを見届けてだ。
ミナがだ。静かに言ったのだった。
「本当に。一つの戦いが終わったわ」
「そうね。じゃあ後は」
「他の皆のところに行きましょう」
見れば戦いはまだ続いていた。戦場の戦いはだ。
それを見てだ。狂死郎はだ。
ミヅキにだ。こう声をかけるのだった。
「それで御主じゃが」
「ええ、これからのことね」
「御主はどうするのじゃ?これから」
「巫女に戻るわ」
こうするとだ。ミヅキは狂死郎に答えた。
「私の本来の姿に」
「ではじゃ」
「それでは?」
「わしと共に来るのじゃ」
そうしろとだ。彼はミヅキを誘ってきた。
「御主の戦いも見事な舞じゃ。共に舞おうぞ」
「舞う、神の舞いを」
「そうじゃ。舞うのじゃ」
狂死郎はミヅキにこう述べていく。
「そうするか?どうするのじゃ?」
「少し考えさせてもらうわ」
ミヅキは即答しなかった。しかしだ。
狂死郎にだ。静かに言ったのである。
「けれど今は」
「うむ、どうするのじゃ」
「この場で戦うわ。人間として」
「左様か。それではじゃ」
「ええ、二つの世界の為に」
そのだ。二つの世界の為にだと。ミヅキは顔を上げて言った。
「戦うわ」
「よし、それではじゃ」
こうしてだった。ミヅキもこの場面でだ。
戦いに加わった。人間として。
刹那も邪神も倒れた。しかしそれでもまだ戦いは続いていた。その激しい戦いの中でだ。人間達は次第にだが確実にだ。その手に入れるべきものを手に入れようとしていた。
第百三十七話 完
2012・1・14
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ