第二章
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「枯れるね」
「その都度新しいお花買いましょう」
「何かずっと見ていきたいってね」
その様にというのだ。
「思うけれど」
「けれどお花だと」
「それは無理だね」
「ドライフワラーあるけれど」
「ああ、それがあったね」
言われてだ、将も頷いた。
「じゃあね」
「それはどうかしら」
「考えてみるよ、お金がかからないで」
「奇麗でずっとあるものね」
「それをね」
「お部屋に飾るのね」
「そうしたいよ」
こう有紗に話した、将はこう考えていた。それで彼女が言ったドライフラワーにしようと思っていたが。
髭剃りを買いに仕事の帰りに職場の近くにある電化製品を売っている大きな店に入ったがそこでだった。
機械製の花を見た、それは丸みを帯びたプラスチックのケースの中に入っていてだった。
ゆっくりと回り光るがその光は実に様々な色でしかも徐々に変わっていく、その花を見てであった。
将はこれはと思った、それで値段を見るとだった。
手頃だった、それで店員さんに話した。
「あの、髭剃りにです」
「こちらもですか」
「買いたいのですが」
「そうですか、ではです」
若い女性の店員さんは笑顔で応えた。
「どうぞ」
「はい、しかし」
「しかし?」
「いえ、こんなのもあるんですね」
その花を見つつ言うのだった。
「世の中には」
「これは昔からありますよ」
店員さんは将ににこりと笑って答えた。
「このお花は」
「そうなんですか」
「もう四十年以上前から」
「古いですね」
「そうですね、ですが奇麗ですよね」
「そうですね、それじゃあ」
「こちらもですね」
「買わせてもらいます」
店員さんに笑顔で言ってだった。
そのうえでその花も買った、そしてだった。
部屋に帰るともう先に帰っていて夕食を作っている有紗に笑顔で言った。
「お花買ってきたよ」
「えっ、持ってないじゃない」
花なんてとだ、有紗は鍋から一瞬だがそれでも将の方を見て答えた。鍋の中にはビーフシチューがある。
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