第一章
[2]次話
プリズムフラワー
同棲して暫く経ってだ、興津将はあるものを買ってきてその同棲している三宅有紗に話した。将は面長で二重の蛙に似た目で薄い唇と眉を持ち髪の毛は赤がかっていて短く一七七ある背はすらりとしている。有紗は黒髪を長く伸ばしポニーテールにしていて背は一六〇程で見事なスタイルをしており形のいい顎と鼻に大きな耳とはっきりした目鼻立ちを持っている。
二人共公務員で生活は安定していてそろそろ結婚を考えている、だがその中で将は有紗にこんなことを話した。
「何か奇麗なもの欲しいかな」
「奇麗なもの?」
「いや、部屋の中に」
仕事が終わってその部屋の中で一緒にビールを飲みつつ話した。
「何かさ」
「綺麗なものがなの」
「欲しいかなって思って」
「絵とか?」
綺麗なものと聞いてだ、有紗は言った。
「そういうもの?」
「いや、絵は高いかな」
「けれど綺麗なものになると」
有紗はさらに言った。
「やっぱりね」
「絵とか芸術品で」
「それなりにね」
「お金がかかるね」
「そうしたものになるわよ」
「お金ね」
この問題を言われてだ、将は考える顔になって述べた。
「それはね」
「私達結婚考えてるし」
「結婚資金があるから」
「貯金はあっても」
二人共金を使う趣味はないのでそれなりにある。
「けれどね」
「結婚資金はかなり必要だし」
「してからもよ」
「かかるね」
「お家も考えてるでしょ」
「将来はね」
将はその通りだと答えた。
「やっぱりね」
「それじゃあね」
「無駄にだね」
「高いものは買えないわよ」
「何かね」
考える顔でだ、将はさらに言った。
「今の僕達のお部屋にね」
「何か奇麗なものがあったら」
「余計にいいかなって思ったけれど」
「それはいいと思うけれど」
「お金だね」
「これはね」
どうしてもというのだ。
「必要でしょ」
「そうだね」
「特に今の私達はね」
「結婚を考えてるし」
「自宅も買うし」
「それならだね」
「無駄遣いは出来ないわよ」
これは絶対にというのだ。
「本当にね」
「ううん、それじゃあ」
将は缶ビールを片手に言った。
「お花とか」
「そちらね」
「これからね」
「あまりかからないわね」
「お花屋さんで買って飾る位なら」
「じゃあそちらにする?」
「そうだね、ただお花はずっとじゃないから」
有紗は賛成したがふとこう思った。
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