暁 〜小説投稿サイト〜
恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
第百三十七話 邪神、封じられるのことその十
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「私が犠牲になることでだ」
「けれど父さんは生きる」
「そうだ。御前達の中でだ」
 やはりだ。そうなるというのだ。
「わかったな。それならばだ」
「・・・・・・・・・」
 楓は沈黙した。しかしだった。
 やがて顔をあげた。その顔は意を決したものだった。
 その顔で身構えてだ。そして言ったのだった。
「わかったよ。それじゃあ」
「守矢、そして月に伝えてくれ」
 彼等のこともだ。黄龍は言った。
「御前達と共にいられて。よかったとな」
「そう伝えればいいんだね」
「そうだ。私は御前達の中で生きる」
 だからこそだ。そうしていいというのだ。
「頼めるか」
「うん、それじゃあ」
 楓は身構えたまま頷きだ。そしてだった。
 渾身の気と力を込めてだ。青龍の力を黄龍に向けて放った。
 そして三人も。彼に続く形でだ。
 次々とそれぞれの力を放ちだ。黄龍に放った。それを受けてだ。
 黄龍はだ。全ての力を受けそのうえでだ。彼の受けた力をだ。
 刹那に注ぎ込む。それから言ったのだった。
「これで・・・・・・全ては!」
「貴様、その命を賭けて」
「言った通りだ!貴様を封じる!」
「四霊の力、それにか」
「私のこの力、黄龍の全ての力があれば」
「巫女の犠牲なぞはか」
「不要!月、生きろ!」
 娘にだ。捧げた言葉だった。
「御前は御前の幸せを求めろ!」
「ぐおおおおおおおおおおっ!!」
 刹那は五色の光に飲み込まれた。黄龍が放つ。
 そして黄龍もその中に消えた。闇の門もだ。
 あらゆるものが光の中に消えたのを見てだ。楓は言った。
「これで常世は」
「うむ、封じられた」
 まさにそうなったとだ。翁が楓に答えた。
「全てはな」
「常世の心配はなくなったんですね」
「尊い犠牲じゃった」
 しかしだ。それでもだというのだ。
「じゃがこれでじゃ」
「そうだね。父さん・・・・・・」
「黄龍の言った言葉だが」
 嘉神が楓に述べてきた。
「わかっているな」
「うん、僕達は」
「生きろ」
 こうだ。黄龍の言葉をまた彼に伝えたのだ。嘉神の口からも。
「わかったな。御前は生きろ」
「うん、何があっても」
「我等も生きる」
 示現も言った。
「これからの。人としての生涯もな」
「親父殿、ではおいらもなのです」
 虎徹もだ。父の言葉に頷きだ。
 そのうえで意を決した顔になってだ。そして言ったのだった。
「次の白虎として生きるのです」
「そうだね。だから僕は」
「楓、お父様は」
「己の責を果たされたのだな」
 楓の後ろにだ。月と守矢が来た。そのうえでだ。
 二人でだ。楓に問うてきたのだった。
「私を助ける為に」
「己を犠牲にされたのか」
「うん、そうしたよ」
 小さく頷きだ。楓は
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ