第三章
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「これからね」
「それじゃあ」
今泉も応えた、そうしてだった。
この日は二人で泳いだ、そして日が落ちそうになると海から出たが。
濡れた身体でだ、ヒナウは今泉に尋ねた。
「また会える?」
「どうかな」
首を傾げさせて応えた。
「ちょっとね」
「わからないの」
「うん、それはね」
「じゃあ家教えて」
ヒナウは笑顔で言ってきた。
「それじゃあね」
「家って」
「家に行ったら会えるよね」
言葉は笑顔のままだった。
「だからね」
「それでなんだ」
「うん、教えて。ヒナウの家も教えるから」
「会ってすぐに家に行き来するとか?」
「何かおかしい?」
やはり笑顔のまま言った。
「それって」
「いや、そう言われたら」
「いいわよね、じゃあね」
「俺の家になんだ」
「これから遊びに行ってね」
そうしてというのだ。
「ヒナウの家にもね」
「行っていいんだ、俺が」
「お父さんとお母さんいるから」
家族の話もした。
「会ってね」
「それじゃあね」
押しに負けた、それでだった。
今泉は頷いた、こうしてだった。
家を教えるとヒナウは実際に彼の部屋に来る様になった、そして今泉も彼女に家に行って彼女の家族と知り合いになった。
そうして付き合いが深まると。
休日自宅に遊びに来たヒナウを彼女の家まで送っている時に言われた。
「今まで友達同士だったけれど」
「まさかと思うけれど」
「これから恋人にならない?」
「あの、あっけらかんとしてない?」
夕暮れの道を一緒に歩きつつ言った。
「ちょっと」
「そうかな」
「うん、流石にね」
「何処かおかしい?」
「そう言われたら」
ここでもだ、今泉はこう言った。
「それはね」
「違うよね」
「法律でもないし」
「じゃあいいよね」
「それじゃあね」
「うん、これからはね」
「恋人同士としてだね」
今泉はヒナウの顔を見て話した。
「一緒にだね」
「いようね」
「それじゃあね」
微笑んで応えた、そうしてだった。
さらに親密な関係になった、そこからすぐに結婚することにもなったが。
同棲することもヒナウから何でもない感じで言って彼女の両親も笑って認めた、やがてヒナウは妊娠し結婚式をあげる頃にはお腹が大きくなるとのことだったが。
今泉は式に参加することが決まっている田中に話すと彼は笑って言った。
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