暁 〜小説投稿サイト〜
バケモノを前にして
第四章

[8]前話 [2]次話
「もうな」
「ずっとなの」
「大谷さんは阪神じゃなくて」
「メジャーでっていうのね」
「活躍して欲しいな」
「私もよ、ここまで規格外の人はね」
 千佳は兄の言葉に頷いて言った。
「もうメジャーでね」
「活躍して欲しいな」
「カープにいて欲しいとはね」
「お前も思わないな」
「いてくれたら嬉しいけれど」 
 そう思うがというのだ。
「ここまでの人はね」
「そう思うよな」
「心からね、これからもね」
 千佳は言葉を続けた。
「活躍して欲しいわ」
「侍ジャパンでメジャーでな」
「ええ、じゃあ今日の試合は」
「もういいさ、オープン戦だしな」
 寿はあっけらかんとして言った。
「何よりも相手は巨人じゃないし」
「ああ、大谷さんに巨人のユニフォームって」
「似合わないよな」
「想像しただけでないわってね」
 その様にというのだ。
「思うわ」
「そうだよな」
「昔は何でもかんでもね」
 それこそというのだ。
「漫画の主人公チームは巨人で」
「巨人しかない感じだったよな」
「けれど今はね」
「そんな風でもないしね」
「大谷さんだってな」
「巨人のユニフォームなんてね」
「ないさ」 
 絶対にとだ、寿は真顔で言い切った。
「もうな」
「あの北朝鮮の軍服みたいなユニフォームはね」
「全然違うけれど感じはそうだよな」
 巨人のユニフォーム、禍々しい雰囲気に満ちたそれはというのだ。
「もうな」
「そうよね」
「北朝鮮の軍服なんて」
「絶対に着たくないわよ」
「ださいというか」
 寿はこう言った。
「何あれ、よね」
「よくあんな変な軍服にしたよ」
「帽子変に大きくて」
「肩の飾りも」
 肩章もというのだ。
「大きいし」
「バランス悪いよ」
「そうそう、全体的に」
「あんな軍服着るとか」
「もう拷問よね」
 千佳は真顔で言った。
「ださ過ぎて」
「それでそんな軍服と」
「巨人のユニフォームは同じよ」
「全くだよ、しかし」 
 それにというのだった。
「大谷さんにはね」
「本当に似合いそうにないわね」
「巨人が球界の盟主とか言って」
「井の中の蛙の時代は終わったし」
「あの人にはこれからも」
「メジャーで頑張って欲しいわね」
「巨人の星とか」 
 恐るべき洗脳漫画の名前も出した。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ