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おっちょこちょいのかよちゃん
272 白魔術の凌駕
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ローレンスは通信機を取り出し、かよ子達藤木救出班日連絡した。
「こちらフローレンス。皆様、勝利を飾りましたのですか?」
『こ、こちら山田かよ子。ラ・ヴォワザンにモンテスパン公爵夫人ってのを、た、倒しました!』
 杖の所有者が噛みながら返答した。
「そうでしたか。黒魔術の使い手達を打ち破りますとお見事です。大変でしたでしょう。ご休憩なさってください」
『は、はい。ありがとうございます・・・!!』
「ところで山田かよ子ちゃん」
『は、はい?』
「杖が黒魔術に勝てましたといいます事は杖に何か変化がありましたのではありませんでしょうか?」 
『は、はい、杖が白くなりました・・・!!今迄になかった事です』
「そうですか。貴女の杖には白魔術を操る能力(ちから)が宿りましたのです」
『そうなんですか・・・!!凄い!』
「きっと役に立てますと思いますわ。白魔術は医学や錬金術の(いしずえ)ともなっていますので。応援していますよ」
 かよ子の母も連絡を繋いだ。
「かよ子、凄いわ。お母さんにできなかった事ができたんだから凄いわよ。頑張ってね」
『お、お母さん・・・。ありがとう!!』
 娘は母に礼をした後、連絡を終了させた。
「まきちゃん、よかったね〜。また杖が強くなって」
 奈美子が褒めた。
「うん。あの子もきっと一回杖が取られたから強くなりたいって思ったんじゃないかしら・・・」
 先代の杖の所有者は信じ続ける。娘達こそが元の日常を取り戻し、また日本を戦争への道に進まないように赤軍達の脅威から止めてくれると。

 かよ子達は共闘した法然に岡山県の高校生三人組とその場で休息を取っていた。
「それが君の杖なんネ」
 島がかよ子の杖を見た。
「はい、この世界で一番強いっていう道具の一つに入ってるんです。私のお母さんも戦後、この杖で食料不足とかを乗り越えたんです。
「そうですか、それで我々もその聖なる四つの道具が私でも秘密にされていたのですか」
 法然もその杖を見た。
「法然さんでも知らなかったの?」
 高崎が法然に聞いた。
「はい、それだけこの世界における重要な道具でしょうから。私もフローレンスとイマヌエルから聞いたのですが、この杖は剣、護符、杯と共にこの世界を創り出した根源とされる道具だとの事です。西洋には炎、水、地、風の四つの元素がもとで世が創られるとされており、杯は水、護符は地、剣は風、そして杖は炎を司るものなのです」
「そうなんだ・・・」
「そんな杖と戦えるなんてこっちにゃ凄い事だぜ」
 中本はそう思っていた。
「あ、ありがとうございます・・・」
 かよ子は杖を試す。
「白魔術の杖って、どんなんだろう・・・?」
 かよ子は立ち上がって杖を試してみた。杖が白く光った。そしてまた賛美歌を奏でるオルガンの音色
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