1章「新しい旅先」
9話「落とし物は、ポケモンのタマゴ」
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験者か」
「ヒョウリも?」
「あぁ、他の地方で何度かな。正直、余り気持ちの良いもので無いがな。何しろ、頭に直接話掛けるんだ。慣れねぇよ」
そう互いに、推察しながら、森の中を進んで行くと。
【たすけて】
「また、聞こえました。今度は、さっきよりハッキリと言葉が」
「「!」」
「こっちです!」
マナオは、声が聞こえた方向へ走リ出す。
「おい!森の中を走るな」
「マナオ!」
サトシ達は、慌てて彼女を追いかけた。
森の中を走るマナオは、次第に森から抜けた。そこは、雑草や花が生えている広い原っぱだった。
(確かに、こっちからだったけど。どこ?)
彼女は、声の主が近くにいるのではと、原っぱの周りを見渡しつつ、進んでいく。丁度、真ん中位に着くと、側に生えている林の中に何かの物体がある事に、気付いた。
「・・・これって」
彼女は、その物体へ近寄り屈む。
「おい、マナオ」
「急に走るな」
彼女を追っていたサトシ達も、漸く追いついた。
「ん?どうした?」
サトシは、屈んで林を見ている彼女に問いかける。
「その、これが」
二人は、マナオが指差す方向を見て、物体の普通名詞を言葉に出す。
「「ポケモンのタマゴ?」」
そこにあったのは、長さ30cm近くもあるタマゴだった。二人が、推察するにポケモンのタマゴだと直感で分かった。
「なんで、ここに」
「マナオ。まさか、そのポケモンのタマゴが?」
「分かりません。ただ、周りを見たら、このタマゴがあって。声は、確かにこの辺だと思ったんです」
ヒョウリの質問に、そう答える。
「誰かの忘れ物かな」
「一体誰が、ここに忘れるんだよ」
「そりゃ・・・ポケモンかな」
「ところで、声はもうしないのか?」
「はい。もう、聞こえなくなりました」
「だとしたら、そいつが。けど、ポケモンのタマゴの状態でテレパシーが使えるとなると、普通じゃねぇな。それに、助けを求めているなら、危険な状態なはずだ。見た限りピンチには見えないし、声の主なら対面した俺らに、また話しかけてくれるはずだが」
「うーん。師匠、どうしましょう?」
「俺に、言われても」
「置いとけ。もし、親のポケモンがいるなら、勝手に触ると襲われるぞ」
「けど、助けを求められているのに、放置するのは」
「そうだよ」
「このタマゴが助けを求めるなら、何から助けを求めているか分からないと、対応しようがないだろと言っているんだ。時間だけ過ぎちまうぞ」
「そうだけど」
彼らが、そんな会話をしているその時だ。
「グゥゥ!」
「「「!」」」
突然、彼らが向いていた森の奥から、何かの唸り声が聞こえた。その声に、3人は身構えた。
「なんだ?」
サトシは、唸り声がした森へ目を見張ると、中から黒い3つの物体が、素早く現れた。
「グラエナ
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