1章「新しい旅先」
9話「落とし物は、ポケモンのタマゴ」
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サトシ達は、ハルタス地方を南下して行き、次に出場するトレーナー・ベストカップ第二の試練が開催されるフィオレ地方のフォルシティへと目指していた。
「この先に、スズホウタウンという街があって、その街を南へ抜けると。そこから先はフィオレ地方になる」
彼らの先頭を歩くヒョウリが、腕輪のマップを見ながら、そう告げる。その後ろでは、サトシとマナオが並んで、彼の後を追うように歩いていた。
「そっか。もうすぐ、フィオレ地方か」
「私、フィオレ地方は前から行ってみたかったんで、楽しみです」
マナオは、ウキウキでそう答えると、ヒョウリは彼女の方を向いて聞いた。
「なんだ、行った事ないのか」
「はい。私、ハルタス地方から出たことは無いんです」
今度は、隣のサトシが聞いてきた。
「マナオは、旅行とか行ったこと無いのか。ほら、こないだカゲギシ砂丘へ行った事あるとか言っていたから、てっきり」
「あぁ、そうでしたね。一番遠くへ行ったのが、カゲギシ砂丘ぐらいでして。家、貧乏だから旅行とか、滅多に出来なくて。宿泊は1泊が限度でしたし、移動は徒歩か運賃が安いバスだけでした。だから、ハルタスから出てないです」
「そっか」
「けど、それも楽しかったですよ。お父さんとお母さんと、いっぱい遊んだり。いろんな場所で遊びましたから」
マナオは、家族旅行を思い出したのか、笑顔でそう答えた。二人は、その笑顔を見て、嘘が無いのが何となく分かった。彼女の事情を知ったサトシは、彼女へ続けて話す。
「じゃあ、これからいっぱい旅行出来るな」
「え」
「俺たちと一緒に、フィオレ地方やアハラ、シントーと、いっぱい旅行出来るじゃん」
「師匠・・・そうですね。凄く楽しみです」
そんな会話をしながら、森の中を進んで行った。
彼らは、チョウドタウンから旅立って1日が既に経過し、昨日は森の中で野営をしていた。今朝は、朝食を済ませてから、次の町があるスズホウタウンまで歩き続ける為、休憩を挟みながら問題無く進んでいた。
「よし、そろそろ。休憩するか」
「賛成」
「ピカァ」
「そうですね」
森の中で、丁度いい広さのスペースに着いた彼らは、ヒョウリの提案で休憩を取った。彼らは、木に背をもたれたり、切り株や大きな石に椅子代わりに座った。各々は、カバンを下ろして、中から水筒を取り出すと、水を飲んでいく。
「ほら、ピカチュウ」
「ピィカ」
サトシは、自分の水筒のキャップをコップ代わりにして、中の水を溜めると、それをピカチュウへ渡した。それから、サトシとピカチュウは、共に水分補給を取った。
休憩をしてから10分が過ぎてから、ヒョウリが再出発の合図を出した。
「そろそろ行こう。あと1時間も歩けば、スズホウタウンだ。着いたら昼食にしよう」
「あぁ」
「ピカ」
「はい」
カバンを背
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