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イベリス
第九十一話 合宿打ち上げその八

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「そうね」
「そうだったしね、そうしたルックスでしかも禁欲的でいつもドイツの為に働いていたから」
「つまり自分達の為に」
「女の人達からもね」
「もてたのね」
「もうもてもてで」
 そう言っていい位だったというのだ。
「人類の歴史でもかなりね」
「もてた方なのね」
「そうみたいよ、今の芸能人の人よりも」
「もてたのね」
「遥かにね、そうなのに」 
 女性から人気があったが、というのだ。
「女好きでなくて清潔だったから」
「余計にもてたのね」
「あの人女の人のお話かなり少ないから」
 姪をかなり可愛がりエヴァ=ブラウンという相手がいた、そしてワーグナーの息子の妻未亡人となっていた彼女と結婚するという話があった位か。
「よく女好きの歴史上の人いるけれどね」
「カエサルさんとかね」
「けれどあの人はね」
「そんなお話もなくて」
「それでね」
「尚更なのね」
「もてたみたいよ」
 女性に清潔なところが好まれたというのだ。
「そのことからもね」
「もてるのは意外だけれど」
「理由はわかるわね」
「ええ、不細工でもないけれど男前でもない」
「顔立ちは普通でもね」
 それでもというのだ。
「そうした人ならね」
「もてるわね」
「ええ、ちなみに女性にはいつも親切でね」
「そうした意味でも清潔だったのね」
「そうだったみたいよ」
「あの人の意外な一面ね」
 クラスメイトは頷いて言った。
「覚えておくわ」
「色々調べるとね」
「ヒトラーもそうした一面があったのね」
「そうなの、ただね」
「ただ?」
「あの人甘いものが好きだったのよ」
 咲はヒトラーのこのことも話した。
「これがね」
「そうなの」
「チョコレートとかケーキが好きでね」
「子供っぽいところあったの」
「そうみたいよ、性格的にね」
「チョコレートとかケーキ好きってね」 
 クラスメイトはこのことから話した。
「何かね」
「子供みたいでしょ」
「私そう思ったけれどね」
「私もよ、それでスパゲティもね」
「好きだったの」
「案外食べるものの趣味は平凡で」
 それでというのだ。
「すぐに食べてお仕事する感じだったみたいよ」
「すぐになの」
「そう、食べたらね」
「お仕事してたの」
「休む時間はなかったみたいよ」
「そうしたのを食べてなの」
「兎に角忙しかったのはね」 
 このことはというのだ。
「事実だから」
「何かそういうのを聞いたら」
 クラスメイトはそれはと答えた。
「独裁者になりたくないわね」
「スターリンも似た様なものだしね」
 ヒトラーと並び称されているこの独裁者もというのだ。
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