第三幕その十
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「持ってるわよ」
「魔法も使えますか」
「ええ、ただ魔法以外のお力をね」
「神通力ですね」
「持ってるから」
だからだというのです。
「凄いわよ」
「そうなんですね」
「だからお会いした時はね」
その時はというのです。
「色々お話を聞いてね」
「わかりました」
恵梨香はオズマの言葉に頷きました、そうしてです。
お食事の後でさらに北に進んでいきます、その中で。
一行は右手にあるものを見ました、それは水田で。
見事な紫の稲が育っていてお水の中に蛙や泥鰌、タニシ達がいてお空には沢山の雀が飛んでいて鴨が稲と稲の間を泳いでいてです。
そうして水路には鮒が泳いでいてあぜ道には大豆があります、かかしはその見事な水田を見て言いました。
「いい場所だね」
「うん、お米だけじゃなくてね」
樵も言います。
「沢山の色々な生きものがいてね」
「賑やかだね」
「そうだね、これが水田だね」
「そうだね」
「日本の水田かな」
ジャックはその水田を見て思いました。
「これは」
「ええ、日本の水田よ」
恵梨香がその通りだと答えました。
「まさにね、ただね」
「ただ?」
「ここまで賑やかな水田はね」
それはというのです。
「私も見たことがないわ」
「そうなんだ」
「日本は街から出たらよく水田があるけれど」
それでもというのです。
「こんなに泥鰌やタニシがいてね」
「それでなんだ」
「鴨までいて」
そうしてというのです。
「水路に鮒がいて大豆まであるのは」
「そうはないんだ」
「ここまではね、けれどね」
「それでもだね」
「ここは素晴らしいわ」
そうした水田だというのです。
「とても賑やかでね」
「それでだね」
「いいわね、泥鰌もタニシも食べられるし」
「そうなんだ」
「勿論鴨もで雀もね」
この鳥もというのです。
「食べられるのよ」
「それじゃあ鮒もかな」
「そうよ、あそこにあるものは全部ね」
「お米だけじゃなくて」
「食べられるわ、あぜ道の大豆なんか」
これはといいますと。
「そのまま食べてもいいし」
「お豆腐にもなるね」
「そちらもいいわ、もう全部食べられる」
そうしたというのです。
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