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第十話 固絆その十

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「その中に入らないとです」
「食べることは出来んわ」
「そうですね、じゃあ」
「地球をか」
「人間は壊せるか」
 それが可能かというのだ。
「果たして」
「そう言われるとな」
「ちょっとどうかってなりますね」
「そやな」
「ですがその表面のことが大事ですね」
 征一狼は話した。
「結局は」
「殻の部分だけでもですか」
「そこにいる環境、地球のそれをです」
「地の龍の人達は大事に思っていて」
「それで、です」
「そこを汚して滅びる原因になる人間をですか」
「滅ぼすつもりなので」
 護刃に枝豆を食べつつ話した。
「要するに」
「そうなんですか」
「はい、そこは見解の相違でしょう」
「私達と地の龍の人達の」
「そうでありますから」
 見解の相違、それがある故にというのだ。
「僕達は戦うのです」
「そうですか」
「はい、地球の表面のことで」
「人間か環境か」
「そうしたお話なのでしょう、ですが僕は信じています」
 護刃に微笑んで話した。
「人間は必ずです」
「必ず、ですか」
「地球を護ります」
 そうするというのだ。
「環境もです」
「ちゃんとしますか」
「人間は愚かであると共に聡明であり」
 その双方の面を持っていてというのだ。
「そしてです」
「そのうえで、ですか」
「悪と善を両方持っています」
「それが人間ですか」
「そして僕は人間の聡明さと善を信じています」 
 こちらをというのだ。
「地球がそしてそこにいる多くの命が苦しんでいるのを見れば」
「それで、ですか」
「その二つに向かいます」
「そうした心を思い出して」
「そうなりますので」
 だからだというのだ。
「僕は天の龍として戦い」
「人間を護るんですね」
「そうです」
 白ワインを飲んで話した。
「それが僕の考えです」
「そうですか、人間はそうしたものですか」
「はい、そしてこの地球の中で」
「生きていかれますか」
「最後の時まで」
 微笑んでの言葉だった。
「そうしていきます」
「じゃあ私も」
 是非にとだ、護刃も頷いて応えた。
「戦います、ただ私は」
「何でしょうか」
「皆、人間も他の生きものも地球も大好きですから」
 それ故にというのだ。
「皆を護る為に」
「戦いますか」
「皆が笑顔でいられる様に」
 征一狼に話した。
「そうしていきます」
「そうしたお考えですね」
「駄目でしょうか」
「いえ、いいお考えです」
 征一狼は護刃の考えを彼女の口から聞いて微笑んで答えた。
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