第十話 固絆その九
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「本当に因果と言えばね」
「因果だな」
「そうよ、けれどね」
「それでもだな」
「人間の世界を護る為なら」
それならというのだ。
「そうするしかないわ」
「そういうことか」
「ええ、本当にね」
「わかった、そのこともな」
神威は嵐の言葉に頷いて応えた。
「戦いのこともまた」
「そうなのね」
「よくな、そしてか」
「そのうえで決めることになるわ」
「俺はどちらを選ぶか」
「人間か地球か」
「どちらだな」
「ただ。人間が地球を滅ぼすんでしょうか」
護刃は日本酒が入ったコップを両手に入れて飲んでいる、正座してそのうえで飲んでこう言うのだった。
「そうなんでしょうか」
「地の龍はそう言っているわね」
嵐は護刃にも答えた。
「だからこそよ」
「あの人達は人間を滅ぼすんですね」
「地球を救い護る為にね」
「そうですね、ただ」
「それでもなのね」
「あの、人間は確かに環境を破壊もして」
このことを話すのだった。
「ゴミも捨てたりしますけれど」
「それでもというのね」
「何十億人いましても」
今度は数のことを話した。
「果たしてです」
「人間が地球を滅ぼせるかというのね」
「人間って小さな存在ですよね」
「そう言われるとね」
まさにとだ、嵐は答えた。
「本当にね」
「そうですよね、地球から見たら」
それこそとだ、護刃はこうも言った。
「もう何でもない様な」
「小さな存在ね」
「それも地上にいるだけの」
「そや、地球って地上だけやないわ」
空汰もここで言った。
「ほんまな」
「そうですよね」
「その下にな」
「マントルとかありますね」
「核まであってな」
「物凄く大きいですよね」
「地球という星全体はな」
まさにとだ、護刃に答えた。
「大きなもんや」
「その地球にです」
「人間はおるけどな」
「何十億も。ですが」
「おるのは地上だけでな」
「地球のほんの殻のところにしかいないですね」
「そしてその殻の全部にはおらんな」
こうも言った。
「そう考えたらな」
「地球って卵みたいですが」
「核が黄身やな」
「卵黄か、ですね」
「それでその殻の部分しかな」
「私達いないですよ」
考える顔と目で話した。
「殻は突き破れてます?」
「全然やな」
「卵って殻を割って」
そうしてというのだ。
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