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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
第107話 失敗を恐れるな!膳王が語る天才の失敗!
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薬膳料理を扱う者なら最初に習う知識、じゃがワシは自分のやり方に一切の疑念を持たず失敗などしないと思い込んでいた。それがこの失敗を生み出してしまったんじゃ」
「……」
「間違った調理をした解毒料理はゼンの病を強め彼の命を奪ってしまった」
俺はさっきユダさんが少しのミスで毒に変わってしまう薬草もあるとアザゼル先生に説明していたことを思い出した。
ユダさんはそれを実際にしてしまったのか……
「幸いな事に他の子供たちはワシの料理が苦いため口にしなかった。ワシを信じて料理を食べたゼンだけが命を落としてしまったんじゃ」
俺達は何も言えなかった。まさかユダさんが失敗をしてしかも人の命を失わせてしまった事があったなんて思いもしなかったからだ。
「村の人たちはワシを責めなかったよ。ゼンは体を張って村の子供を救ってくれたと……ワシに感謝していると言ってくれた……じゃがワシは心から後悔した。もしワシが仕込みの段階で少しでも疑問を持って調理の仕方を調べていたらゼンを死なせなくて済んだと……天才などともてはやされていい気になっていただけだったとな」
「ユダさん……」
ユダさんほどの人でも失敗した、それを知ったルキは複雑な顔をしていた。
「その時になってワシは漸く老師が足りないと言ったものが分かった。それは『失敗』をすること、それによって知る自身の弱さじゃ。もし失敗をしないでそのまま店を持ったらワシは過信してそれ以上の被害をだしていたかもしれん。薬膳料理は特に失敗は許されない、1ミリのミスで取り返しのつかない事になるとワシは思い知らされた」
ユダさんは本当に後悔しているといった苦しそうな目で窓から空を見ていた。
「ワシはゼンのフルコースを譲ってもらい誓ったんじゃ。もう二度と1ミリのミスもしないと……」
……それが1ミリのユダの誕生だったんだな。
「ルキ、お主もかなりの才能を持っているようじゃな。あの壁にかかっている包丁はお主が作ったのじゃろう?」
「はい、あれはオレの作品です」
「じゃがどんな優れた腕や大きな才能を持っていようと人は失敗する。だが失敗そのものが悪なのではない、大事なのはその失敗で何を得るかじゃ。お主は失敗はしたことはあるか?」
「……あります」
「ならその失敗を恐れるな。そこから何を感じたのか、自分はどうするべきだったのかをまずは考えそして次に活かしていきなさい」
「分かりました」
ユダさんの言葉にルキは強く頷いた。
「さて、長居してしまったな。ワシはそろそろ帰るとしよう。包丁は後日また研ぎの依頼をさせてもらおう」
「なら代金は結構です、なんなら前の時にもらったお金も……」
「いやその必要はない。ワシも初心を
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