暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
閑話
それぞれの思惑入り交じる
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て出た涙を拭いながら話を始める。

「別にいいんじゃない?そんなに目くじらを立てなくて」
「なんでそう思うんだい?」

毅然とした態度で意見を述べた彼に対し男は問いかける。それに対しても、彼は何食わぬ顔で答えてみせた。

「確かにルールを破るのはよくない。だが、メーテスがいなくなったらそいつの管理する世界はどうする?誰かが管理するのか?俺は嫌だぜ?面倒くさいから」

多くの神は自身を信仰する世界を作り、管理している。もしここでメーテスを処断しようものなら、その世界の住民たちも行き場を失うことになる。しかし、彼が止めた理由はそれだけではなかった。

「それに、そいつを処分するなら、そもそも俺たちを管理しきれていないお前にも責任能力を問われるんじゃないの?」
「「「「「!!」」」」」

この中のトップと思われる存在に対しての攻撃的な発言に緊張が走る。それを受け、男は嘲笑うように小さく笑みを浮かべる。

「一理あるかもね。ただ、責任能力を問われるとここで何もないとみんなに示しが付かないとも言えるよ」
「その考えも大いにありだ。それを踏まえて、お前がどうしたいかが重要なんじゃないか?」

これにより全員の視線がこの会を仕切る者へと移される。男は笑みを浮かべると、唯一霧の中に姿を隠すことを許されていない人物の方へと向き直る。

「メーテス、君には今後他の世界との一切の接触を禁じる。この会に置いても、私の指示無しに他の者と話すことは禁止だ」
「承知しました」
「それと・・・」

目を閉じながら頷いた青年に対し男は近付くと、肩へと手を置き耳元へと囁きかける。

「彼に感謝するんだね。まぁ、それが難しいことは私もよくわかっているが」

それだけ告げると先程まで姿を視認できていた青年も煙の中へと誘われる。そのまま会合も終わるかと思われたが、男は全員に諭すように告げた。

「今日はこれ以上何かをするつもりはない。ただ、これだけは言っておく。今君たちの中で掟を破っている者を私は全て把握しているよ」

その言葉に緊張感が走る。心当たりがあるものたちは顔を伏せ、この場をやり過ごすことに必死のようだ。

「今回の一件は問題だ。本来なら全員に処罰を与えるべきだが、そんなことをすれば多くの世界が崩壊しかねない。それは私としても本望ではない。ただ、できることならこれ以上ことは荒立てないでほしいね」

それだけ言い残しその場から姿を消した男。それを見ていたうちの一人は一つ息をつくと、そそくさとその場から離れていく。

「どうしたのかしら?」
「ビビったんだろ?どうせ」

それを不思議そうに見ていた女性とその後ろから嘲笑うように舌を出す、先程手を上げ意見を述べた男。特に男の方はまるで思い通りに彼が動いたかのように
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