閑話
それぞれの思惑入り交じる
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いるだけだと思っていたけど・・・
「あれを見せられたら、信じる以外できないよね」
「うん。しかも相当強いよ、あいつら」
正直今回の依頼があるまで天使たちのことをなめていた。俺なら何とかできると考えていたが、その予想を遥かに上回る実力に、奥歯を噛み締める。
「気にしなくていいよ、レオン」
「そうじゃ。お主たちは勝った。これは妾たちにとって大きな一歩になるはずじゃ」
悔しさが溢れ出てしまっていたのか、二人からそんなことを言われる。確かにそうだ、今回はシェリアたちの協力もあってなんとか勝てた。しかし、あいつらの目撃情報は幾度となく出ている。たった一人に手を焼いているようでは、いずれ必ず負ける時がくる。
「もっと力を付けないと・・・」
「あたしと一緒にね」
「ラウも忘れないでよぉ」
不安に負けそうになっていたところを二人が優しい声をかけてくれる。そのおかげで少しではあるが、気が楽になった。
「あぁ、ありがとう」
二人に手を差し出し手を握る。一人じゃダメでも俺には仲間が大勢いる。こいつらが一緒にいてくれれば、俺は絶対に負けない。今回の依頼は改めてそう思わせてくれるような、今までの俺の行いを見直させてくれるいい依頼になったと心から実感した。
第三者side
霧の中この会合を仕切る男の前に立った青年は顔を隠すことも許されず全員からその姿を視認されている。しかし彼は臆する様子もなく、黙して冷静だ。
「何か言い訳はあるか?」
「ありません」
男の問いに即座に返す青年。彼は閉じていた目を開くと、顔がわからない彼に視線を向けたまま、言葉を紡ぐ。
「私は使いたちに指示を出し、他の世界に干渉しました。それは紛れもない事実であり、弁明の余地もない」
あまりにも潔いその姿に男は感心した。しかしそれゆえに、彼のこれまでの行動が腑に落ちない。
「なぜ君ほど賢明な者がこのような行動をしたのか、理解に苦しむね」
「ただ苛立ちを抑えきれずにやりました。後悔はありません」
淡々と答えるその姿にウソがあるようには見えない。それを見抜いた男は、周りの者に問いかけた。
「彼の処罰についてだが、皆はどう思う?」
しばしの沈黙。誰も彼の問いに意見を言うことができない。それもそのはず、今ここで大きな処罰を望めば、自らの行動がバレた際に全く同じことが返ってくるのだから。
しかしかといってあまりにも優しい処遇を与えることも躊躇される。それは自身もこの件に噛んでいることを疑わせるに足りうる可能性があるのだから。
誰も何も言えない状況が続いたかと思うと、一人が静かに手を上げる。指名された者は大きなあくびをしたかと思うと、それによっ
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