閑話
それぞれの思惑入り交じる
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ザワザワザワ
薄暗い霧に包まれた空間。そこに集まった者たちは皆話題が尽きないようで、ひたすら周囲の存在と会話をしているようだ。
「もうみんな集まってるようだな」
その声で辺り一帯が静まり返る。霧に包まれて姿は視認できないが、人影がある方へと全員が顔を向けていた。
「急な召集ですまない。話は聞いているだろ?この中に掟を破った者がいる」
その言葉と共に全員の視線がある一人へと注がれる。それを受け、その人物は長と思われる男の方へと歩みを始める。
「他の世界へと接触禁止を破った上にその住民たちを死の間際まで追い詰めた。これは重罪だぞ?メーテス」
それと同時に歩みを進めている人物の周りの霧が捌けていく。瞬く間に霧が晴れると、その青年の姿を全員が視認できる状態になっていた。
レオンside
「腕上がる?」
「大分戻ってきたよ、ありがと」
俺は今船の上でシェリアに痛い箇所の確認を受けている。まだ痛むところは多いが、動き事態には問題ないためひと安心といったところだろう。
「シリルたちは?」
「例によって例の如く例の状態だ」
「「あぁ・・・」」
例によって例の如く例の状態か。まぁグラシアンさんは元々寝てたし、シリルとウェンディは身体を休ませなきゃいけないだろうし、実質ローグさんが一人ダメージを受けている状態とも言えるんだけどね。
「あとどのくらいかかるんだっけ?」
「遠いところだったからね、あと一週間はかかるんじゃないかな?」
「一週間もあれば、港に待機している回復役たちは要らなそうじゃな」
本当はウェンディとシリルも手を貸してくれれば早くにケガは完治できるが、あの状態じゃあ魔法を使うどころか動くことすらままならないだろう。それでも一週間もあれば少しずつでも回復できる。恐らくカミューニさんが用意してくれた王国の救護班は無駄足に終わるだろうな。
「グラシアンさんはまだ目覚めない?」
「あぁ。傷は治っておるからそろそろだとは思うのじゃが・・・」
そんな中一番問題はあの人。一人で天使を討伐した直後から一切目を覚まさない幻影の竜。ミネルバさんが時おり様子を確認しにいってくれているが、一向に目覚める気配がない。
「そういえば剣咬の虎は天使と何回くらい遭遇した?」
「妾たちも今回が初めてじゃ。ゆえに本当にいるのか半信半疑じゃったが、あの力を見せられれば信じざるを得まい」
俺たちの所属する蛇姫の鱗でも天使との遭遇事例はなかった。他のギルドは度々会っていると聞いていたが、ちょっと強い人間が天使の名を語って
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