第六百九十一話 それぞれの鱒料理その七
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「そんなお話してると」
「どうしたのかな」
「食べたくなったわ」
こう言うのだった。
「その鯨のステーキをね」
「それ言うと僕もよ」
「お兄ちゃんもなのね」
「好きだしね」
そうした料理でというのだ。
「尚更ね」
「食べたくなったのね」
「そうなったよ、じゃあ」
「近いうちに食べる?」
「って今夜のメニューまだ決まってないわよ」
クララがこう言ってきた。
「そうよ」
「ああ、そういえばそうだね」
「それじゃあね」
「今夜はだね」
「メイン鯨のステーキにする?」
この料理にというのだ。
「そうする?」
「そうだね、じゃあね」
「丁度いいね」
「そうよね、私も何かね」
「鯨のステーキ食べたくなったんだ」
「オーストラリア風のね」
即ち自分達の国のというのだ。
「家族皆好きだし」
「尚更都合がいいよね」
「昔はいざ知らず」
二十世紀後半から二十一世紀前半の祖国のことを思い出して話した、反捕鯨の最先鋒であった頃のことを。
「今は我が国だって食べるしね」
「それも隅から隅までね」
「無駄なくね」
「そうした食文化だし」
「今夜はね」
「鯨のステーキだね」
「それにしましょう」
兄に笑顔で話した。
「是非ね」
「それじゃあね」
「あとお野菜は何にしようかしら」
「ポテトサラダどうかな」
ベンは野菜はこちらを提案した。
「それとトマトを切って」
「冷蔵庫にあるわね、トマト」
「だからね」
「じゃあトマトも出すわね」
クララは兄のその言葉に頷いた。
「そっちも」
「それじゃあね」
「じゃあお野菜はね」
「これで充分だね」
「そうね、それで主食は」
クララはこちらの話もした。
「何がいいかしら」
「ポテトサラダでジャガイモがあるけれどね」
連合ではジャガイモや薩摩芋も主食の中に入っている、尚ジャガイモはエウロパでもそうなっている。
「サラダだからね」
「今回はね」
「また別だね」
「そう、主食じゃなくてね」
ジャガイモはというのだ。
「あくまでおかずよ」
「サラダだからね」
「それで別の主食だけれど」
「ご飯にしましょう」
ケイトが言ってきた。
「今日は」
「ご飯なんだ」
「だって鯨に合うのは」
兄に話した。
「パンよりもね」
「ご飯なんだ」
「そう思うから」
それでというのだ。
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