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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
3.5章
3.5−1:向けられる視線
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ェルマンと呼ばれた女性は、一つ溜め息をつき目を開けると颯人が先程持っていた歯車を掴んだ。
それを見て青い髪をツーサイドアップにした女性が一仕事終わったとでもいう様に背を伸ばす。
「これで、あーし達のお仕事も終了ね!」
「持っていくのはこれだけではないワケダ。他にもいくつか持って行かないと、我々の狙いがバレる」
「分かってるって」
「急ぐわよ。時間稼ぎは仕込んであるとはいえ、どこまで稼げるかは分からないわ」
「サンジェルマンは心配しすぎ。人間がアレに初見で対抗できる訳ないじゃない」
青髪の女性は楽観的に言うが、サンジェルマンと呼ばれた女性はそうではないらしい。何かを見定めるような目を颯人が向かって行った方に向ける。
「どうかしらね? あの子なら、或いは…………」
そう呟くサンジェルマンの視線は、またも昔を懐かしむような柔らかな目をしていた。
少なくともそれは決して敵に対して向ける様な目ではなかった。
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