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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
3.5章
3.5−1:向けられる視線
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あるファントムであった。

「今回もジェネシスが関わってやがんのか?」
「さてな。それも含めて、お前達には調査をしてもらいたい」
「オーケー、話は分かった。だけどまさかとは思うが全員で行く気?」

 フロンティア事変の一件で、ジェネシスは組織としての力を大きく削がれたが、それでも首魁のワイズマンを始め幹部陣は健在だ。故に、今も細々と活動を続けている。颯人達が一つの事件に集中している間に、別の場所でジェネシスが騒動を起こしては大変だ。
 そう颯人が危惧すると、弦十郎は首を横に振った。

「それこそまさかだ。不測の事態に備えて、翼とマリア君、それとガルド君には残っててもらう」

 こうして出動メンバーが決まり、響とクリスは気合を入れマリアは調と切歌の2人に激励の言葉を送った。

 そして向かった豪華客船。非常線を抜けた先の湾には、無人となった客船が海上に浮かんでいた。

「ふ〜む、なかなか良い船じゃないの。ああいう船のステージにも立ってみたいもんだね」
「暢気に品定めしてる場合かっての」
「怪物って、どんなのだろう?」
「可愛い見た目じゃない事は確かだな」

 既に変身した颯人と透、そしてギアを纏った奏達が陸地から客船を見上げる。飛行機ならともかく、こうした豪華客船を間近で見る機会というのは早々ないから何だか新鮮だ。
 本来であれば煌びやかな、海上ホテルと言っても差し支えの無い客船。それが今は、内部を怪物により占拠されている。非常線を抜ける前に、現場を確保していたS.O.N.G.の職員に訊ねても、怪物の正体はハッキリとしないままだった。

 この船の中には確実に何かが居る。そう思うと煌びやかな客船も、おどろおどろしい幽霊船に見えるような気がした。

「さて、行くとするか。鬼が出るか蛇が出るか……」
「響、皆も、警戒怠るな? 何か見つけたらアタシか颯人に言え」
「分かりました!」
「で、何処から入る?」
「そもそもこういう船って、普通は何処から入るデス?」
「普通は、外付けの階段みたいなので入るんだと思うけど……」

 辺りを見渡すと、調の言う外付けの階段が見つかった。が、颯人はそれを使わずに船の後ろの方を指差した。

「あっちから入ろう」
「あそこは、貨物の搬入口か?」
「あっちの方が広い。何かあっても対応が簡単だ」

 普通の入り口は狭い。もしそこで待ち伏せされていたりしたら、最悪ロクな反撃も出来ずに誰かが犠牲になる危険すらあった。その点、貨物の搬入口は入り口も広く中もスペースが確保されていて咄嗟の事態への対応も容易い。無論貨物室に繋がっている為、敵が隠れる場所も多いが暴れられるだけあっちの方がずっとマシだ。最悪被害は乗せてきた貨物だけで済ませる事が出来る。

 飛び込む形で貨物室
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