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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
3.5章
3.5−1:向けられる視線
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それは魔法少女事変が終結してから暫く経っての事であった。
「そう言えば、マリアも奏達と一緒にロンドンに行ってたんだよな?」
「そだよ。アタシらの方は仕事が一段落して、一足先に帰ってたんだけどさ」
「何してたんだ?」
「怪しい錬金術師追ってたんだって」
海外での仕事を終え、日本に戻ってきた颯人と奏は並んで本部の廊下を歩いて発令所に向かっていた。その道中、何気なく話題に上げたのは海外で活動していたマリアの事。奏と翼はツヴァイウィングとして歌手活動をしている事は知っていたが、マリアがそれについて行った理由について颯人は朧気にしか理解していなかったのだ。
「怪しい錬金術師?」
「アタシと翼もそれにちょいと関わってね。結果的に錬金術師は自決しちまって、背後関係とかは全然わからなかったんだけどさ」
その代わり、その錬金術師の所持品から何やらデータの入ったチップを回収する事が出来た。今、了子を中心としてそのチップに収められているデータの解析が行われている真っ最中であった。
そんな取り留めの無い会話をしながら2人が歩いていると、突如として警報が鳴り響いた。緊急事態を知らせる警報だ。それを聞いた2人は一瞬顔を見合わせると急いで発令所へと入った。
「旦那ッ!」
「何事?」
「む、早かったな。少し待ってくれ、今他の連中が来るのを待つ」
程無くして本部内に居た他の装者や魔法使い達が発令所に集まって来た。発令所には颯人を始めとした魔法使い3人と、海外から戻った奏と翼、そしてマリアを含めた7人の装者が揃っていた。
「集まったようだな。突然呼び出して済まない」
「いえ、大丈夫です」
「それより師匠、何があったんですか?」
「ただの事故、って感じにゃ見えねぇが?」
弦十郎達から聞かされたのは、東京湾内に停泊している豪華客船『アレキサンドリア号』にて事故が発生したと言うものであった。
「そこまでの話を聞く限りだと、別に私達が全員集まる必要は無さそうに思うけど?」
「ここまではな」
「本来なら海上保安庁の案件なんだけど、今回は事情があってS.O.N.G.に出動要請が掛かったのよ」
「その事情って?」
「怪物さ」
弦十郎の口から出た怪物と言う単語に、颯人が片眉を上げる。そしてチラリと他の仲間達を見渡せば、怪物と言う曖昧な表現に大なり小なり皆不可解な物を感じているのか互いに顔を見合わせたりしていた。
「弦十郎司令。怪物とはどういう事だ? アルカノイズの類じゃないのか?」
「それが分からないから、こうして全員に招集を掛けたのさ。敵がどういった奴なのか判然としない以上、俺達が動く他無いからな」
しかし怪物とは穏やかではない。この時颯人の頭に真っ先に浮かんだのは、魔法使いが堕ちた姿で
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