第百三十六話 戦士達、陣を破るのことその八
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孫権は姉にだ。こう言うのだった。
「姉上、遂にですね」
「そうよ。長かった戦いもね」
「終わりますね」
「ええ。けれど私はね」
ここでだ。姉はだ。次妹の顔を見た。
そしてそのうえでだ。こう告げたのだった。
「貴女達がいて気が楽だったわ」
「私がいてですか」
「そうよ。随分楽だったわ」
微笑みだ。こう話すのだった。
「孤独って感じたことはなかったわ」
「そうですか」
「その点は助かったわ。後はね」
「後は?」
「最後の最後まで生き残りましょう」
こう孫権に言いだ。そしてだ。
孫尚香にも顔を向けてだ。彼女にも言った。
「シャオも少しは大人になったかしら」
「大人も大人よ」
白虎に乗りながらだ。孫尚香は長姉に文句をつける。
「シャオだって何時か姉様達みたいに胸も大きくなってね」
「そしてなのね」
「もっと大人になるから」
こう言うのだった。
「だからやるからね」
「ええ、この戦いにね」
「勝って。後で皆で大騒ぎするから」
彼女もだ。自ら虎を駆り戦いに向かっていた。そうしてだ。
連合軍は敵陣に突入した。その瞬間にだ。
神楽がだ。袁術達に言った。
「ではお願いするわね」
「うむ、わかったのじゃ!」
左右に郭嘉と張勲を置いている袁術は既に舞台衣装に着替えている。それは二人も同じだ。その袁術が神楽の言葉に応えてだ。そのうえでだった。
左右にいる郭嘉と張勲にだ。こう告げたのだった。
「凛!七乃!よいな!」
「はい、凛様」
「歌で戦いましょう」
「歌は力じゃ!わらわ達はそれで戦うのじゃ!」
宝貝を手にだ。袁術は言った。
そしてそのうえでだ。三人は歌いはじめた。その歌の力が闇の軍勢を打つ。
その歌は彼女達だけでなくだ。大喬と小喬もだった。彼女達の舞台からだ。
歌をはじめた。そしてそれもだ。
敵陣を打つ。彼女達の歌もそうしていた。
歌いながらだ。彼女達はこう話していた。
「こうして雪蓮様達と一緒にね」
「そうね。一緒にいたいわよね」
歌の合間にだ。兵達に語り掛ける様に二人で話すのだった。
「だから絶対にね」
「うん、勝とうね」
「ああ、わかってるさ!」
「俺達はやるぜ!」
兵達もだ。その彼女達の言葉にだ。
その士気をさらにあげてだ。戦いに赴くのだった。
当然ながら張三姉妹も歌う。しかしだ。
張梁と張宝は舞台で二人だった。二人で歌っていた。
その彼女達を見てだ。兵達はいささか残念そうに述べた。
「ちょっとなあ」
「そうだよな」
「やっぱり天和ちゃんもいないとな」
「残念だよな」
こう話すのだった。戦いに向かいながらだ。
やはり三姉妹は三人いればこそだった。だからこそ寂しく思っていた。そして実際にだ。
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