第百三十六話 戦士達、陣を破るのことその六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
全ての陣でそうなっていた。十絶陣の力はだ。
押し出された。遂にそうなった。そしてだ。
それを見た華陀はだ。意を決した顔になりだ。
共にいる二匹の妖怪達にだ。こう言ったのだった。
「よし、今だな!」
「ええ、ダーリンそれならね」
「お願いするわよ」
「わかっている、受けろ!」
十本の針をだ。一度に右手に持ってだ。
構えを取りそしてだ。陣の上に押し出されたそのそれぞれの力に向かって投げたのだ。
十本の針達は黄金の光を放ちつつ術に向かいだ。そしてだった。
それぞれの力に突き刺さった。その瞬間だ。
「行けーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
華陀は叫んだ。まるで針にさらに力を込める様に。それを受けたかの様に。
力はそのままだ。敵陣の中央の本陣にだ。一気に進みだ。派手に衝撃を放った。
「やったか!」
「いえ、結界があるわ」
「それがあるから」
怪物達が華陀に応える。見ればだ。
実際にだ。その結果によりだ。術の衝撃は防がれていた。
黒い、闇の衝撃に覆われた本陣の中でだ。于吉は左慈に言っていた。
「結界を張って正解でしたね」
「そうだな。十絶陣の力をそのまま受ければな」
「軍は壊滅状態に陥っていました」
「こうして結界を張って何よりだ」
「しかしです」
だがそれでもだとだ。于吉は落ち着いた声で言った。
「この結果でもです」
「駄目だな。そろそろもたないな」
「はい、そしてです」
「衝撃が来る」
左慈は闇のカーテンの向こうに空けて見える紅い血を見て言った。それは紅水陣の力だった。
「術の力がだ」
「やはり軍は損害を受けますね」
「一割程度か」
左慈はその損害を述べた。
「やられるな」
「そうですね。そして衝撃は受けますから」
「そこに隙ができる」
陣全体、彼等にそれはなくともだ。
それができると述べてだ。それで言ったのだった。
「残念だがな」
「はい、彼等はそこに来ますね」
「さて、どういう戦いになるかだな」
「衝撃が来てそこからですね」
「敵が来る。迎え撃つぞ」
「運命の決戦です」
こうしてだった。彼等も決戦に備えるのだった。そしてだ。
闇の硝子の天幕はだ。次第にあちらこちらにヒビが入りだ。遂にだった。
一つ、また一つと割れていきだ。それを合図としたかの様に。
一気に崩れた。そしてそこにだ。
十絶陣の衝撃が白装束の者達に襲い掛かる。それを受けてだ。
闇の軍勢に様々な色の嵐が起こった。術の衝撃の嵐だ。それがだ。
白装束の者達を襲い吹き飛ばし血水に変えていく。だがその中でもだ。
数は思ったよりも減らずだ。そしてだ。
主だった面々はだ。一人もだった。
だがその彼等もだ。やや苦々しげに言うのだった。
「やられたも
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ