第三幕その二
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「食器に拭いても残るお水の感じがです」
「いいからね」
「はい、ですから」
「お水がいいとね」
「その分お料理の味もよくなります」
「そうだね、日本は全体的にお水が奇麗だけれど」
それでもとお話する先生でした。
「特にこの神戸はね」
「お水が奇麗ですね」
「それでっ美味しいよ」
そうだというのです。
「本当にね」
「いいことですね」
「本当にね」
お散歩の途中そんなことをお話しました、そしてふわりとお兄さんと笑顔でまたねと一時のお別れをしてです。
そうしてお散歩を終えてお家に帰ってトーストと牛乳にハムエッグとトマトとレタスのサラダを食べてです。
論文を書いているとお静さんがお酒を持って来てです、こう言いました。
「灘のとびきりのお酒が入ったからね」
「僕にくれるんだ」
「ええ、一本飲んで」
一升瓶を差し出して言いました。
「よかったらね」
「有り難う、神戸はお酒も美味しいね」
「産地で有名よね」
「それもお水がいいからだね」
「奇麗で美味しいからね」
お静さんも言います。
「それでよ」
「お酒もだね」
「お酒の原材料はお米でね」
「お米を作るにはお水を沢山使うからね」
「ええ、だからお水がいいと」
それならというのです。
「お酒も美味しいのよ」
「そういうことだね」
「ええ、それでこのお酒も美味しいから」
「飲めばいいんだね」
「先生への贈りものよ、いつもよくしてもらってるから」
お静さんは猫のお顔をにこりとさせて言います。
「だからね」
「お礼なんだ」
「そうよ、遠慮しないで飲んでね」
「そうさせてもらうよ」
その言葉に応えてでした。
先生は灘の日本酒を笑顔で受けました、そうしてです。
お静さんと一緒に十時のお茶を楽しんでまた論文を書いてお昼までそうしました、そのお昼ご飯はといいますと。
牛丼です、トミーが作ったそれを食べますが。
一緒にお昼を食べている皆はここでこんなことを言いました。
「朝起きてからお水のお話ばかりだね」
「そうだよね」
「この神戸のお水についてね」
「奇麗とか美味しいとか」
「そう言ってばかりね」
「どうにも」
「うん、実際にそうだからね」
先生もその通りだと答えます。
「僕も今日はね」
「ふわりやお兄さんと」
「そしてお静さんとだね」
「お水のお話したんだね」
「そうなのね」
「そうだよ、お話の流れでね」
その時のというのです。
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