第十話 固絆その五
しおりを登録しました
[8]前話 [2]次話
「西本さんか星野さんだけね」
「そうだな」
「そして西本さんはもうご高齢だから」
「監督は出来ないな」
「そうなるとね」
「星野さんだな」
「あの人しかいないわ」
神威に対して答えた。
「もうね」
「そうだな、中日の監督だが」
「阪神の監督になってもらえたら」
「今の阪神をな」
「救ってくれるわね」
「今の阪神は相当なことをしないとだ」
さもないと、というのだ。
「復活出来ない」
「それな、暗黒時代が長引いてな」
それでとだ、空汰も暗い顔になって応えた。酒を飲んでから柿の種とピーナッツを口の中に入れて?みながら話した。
「チームに覇気がのうなってるわ」
「そうなんですよね」
征一狼も残念そうに応えた。
「今の阪神は」
「もう負け過ぎて」
「それが板についてしまっていますね」
「しかも地獄のロードは健在やし」
阪神を毎年夏以降苦しめるそれはというのだ。
「高校野球があって」
「そうしてですね」
「その間甲子園は使えんで」
本拠地であるこの球場がというのだ。
「その結果ですわ」
「遠征ばかりで疲れが溜まり」
「そこから秋にかけて成績が落ちます」
「それは健在ですしね」
「何かダメ虎って言われて」
そしてとだ、護刃も悲しそうに話した。
「それがです」
「板についていますよね」
「特に打線に」
玳透に対して答えた。
「そうですよね」
「はい、あまりにも打たないです」
「投手陣は頑張ってくれても」
「幸い揃ってますからね」
投手陣はとだ、玳透も答えた。
「阪神は」
「いつもそうですよね」
「先発だけでなくて」
「中継ぎや抑えの人達も」
「だから防御率はいいんです」
チーム全体のそれはというのだ。
「本当に、ですが」
「打たなくて」
「それで負けていますからね」
「それをだ」
神威はここでまた言った。
「変えられる人はな」
「星野さんだけですね」
「阪神に来てくれたなら」
その時はというのだ。
「完全にな」
「阪神は変わって」
「猛虎復活だ」
そうなるというのだ。
「必ずな、だがそれは今じゃない」
「これからですね」
「未来のことだ、そしてその未来をだ」
「私達は護る必要がありますね」
「そういうことだ」
「天の龍か、お前はだ」
封真はビールを飲みながら神威の言葉を聞いて言った。
「そちらに進むか」
「どうなるかわからないが」
それでもとだ、神威は封真に答えた。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ