第百三十六話 戦士達、陣を破るのことその一
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第百三十六話 戦士達、陣を破るのこと
司馬尉達はだ。十絶陣の中でのそれぞれの攻防を見てだ。
そのうえでだ。危機を感じつつそこにいた。
ミヅキがだ。眉を顰めさせて司馬尉に問うた。
「よいのか。このままでは」
「陣が破られるというのね」
「陣にある力を入れるべきではないかしら」
「それができればね」
苦労しないと。司馬尉はその曇った顔で述べるのだった。
「あの陣の力はどれも絶大なものだけれど」
「これ以上の力は?」
「そうよ。込められないわ」
「今で限界だというのね」
「私の力でもね」
九頭の九尾の狐、リョウシツのその力でもだというのだ。
「これが限界よ」
「そう。限界なのね」
「ええ。そしてね」
司馬慰は今度はその顔を苦々しげなものにさせて話した。
「あの陣はあまりにも特殊なものだから」
「力を入れられるのも」
「私だけよ。そして一旦陣を築いたら」
そうなればというのだ。
「もう力を込めることもできないのよ」
「限界まで入れてそれでなの」
「ええ、終わりのものなのよ」
「そう。それじゃあ今は」
「見ているだけしかできないわ」
それぞれの陣の中での攻防、それをだというのだ。
「忌々しいけれどね」
「残念ね。けれどこのままだと最悪」
陣が破られる、ミヅキは最悪の事態を想定した。
そしてそのことをだ。司馬尉に述べたのである。
「陣を破られてその力が」
「私達のところに来るわね」
「その場合のことは考えているわよね」
「十絶陣は絶対に破られるものじゃない」
こんなことを言う司馬尉だった。最初はだ。
だがそれと共にだ。彼女はこう言ったのだった。
「けれど今はその危険を感じるから」
「だからこそなのね」
「考えているわ」
今現在はそうしているというのだ。
「このまま十絶陣の力を受ければ。軍は壊滅するわ」
「ええ。どうするかね」
「だから。今のうちに」
どうするべきかをだ。司馬尉はミヅキに述べた。
「結界を張るべきね」
「結界を」
「ええ。今のうちにね」
そうするべきだと述べてだ。今度はだ。
己の後ろに控える司馬師、司馬昭の二人にだ。こう告げたのであり。
「いいわね」
「はい、では今から」
「陣全体を守る結界を張りましょう」
「ええ。そうするわ」
司馬尉自身もだ。結界を張るというのだ。
そのことを告げてだ。実際にだ。
三姉妹は呪文を詠唱し結界を張りにかかる。それを見てだ。
ミヅキもだ。朧に声をかけたのだった。
「いいわね」
「ふむ。結界じゃな」
「このままだと最悪十絶陣は破られるから」
「だからこそじゃな」
「結界を張って私達を護りましょう」
「さもなけ
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