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ご飯をよく食べて
第二章

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「よく食べるのよ、健康だしね」
「そういうことだな」
「そうよ、それによく食べるのを見て」
 その姿をというのだ。
「悪くないでしょ」
「いきなり家にお邪魔しますもなしで上がり込んでな」
 洋介は人間に例えて話した。
「しかも今日行っていいかじゃなくて行くでな」
「世の中そんな人もいるわね」
「人の家にな、それでただで大飯かっ喰らわれるとな」
「ふざけるなってなるわね」
「毎月そうされたらな」
「そうね、けれどふわりは家族だし」
「その図々しさもないしな」
 それでというのだ。
「いいさ、むしろ謙虚で遠慮がちだし」
「いいわね」
「ああ、どんどん食ってな」
 そうしてというのだ。
「いいさ、三食な」
「食べ過ぎたら太っても」
「太らないだけ動いてるだろ」
「それもそうね、じゃあ」
「ああ、どんどん食ってもらおうな」
「ふわりそういうことだからね」
 百合子は今もケージの中で食べているふわりに言った。
「いつもお腹一杯食べなさい」
「ワンッ」
 ふわりは百合子の言葉に顔をこちらに向けて明るい鳴き声と目の光で答えた、そしてまた食べるが。
 家族でそんなふわりを見て笑顔になった、そして夫であり父である文太が仕事から帰ると一家で夕食を摂ったのだった。


ご飯をよく食べて   完


                  2023・3・23
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