第百三十五話 十三、知恵を出すのことその七
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「しかしそれでもだな」
「あえて言うの?」
「そうだ。奴等は破壊と殺戮の世界にするというが」
それは何かというのだ。八神にとっては。
「そんなものは好かん。暴力にもなるからな」
「あっ、そういえば八神さん暴力とかは」
「ええ、そうよね」
ここで周泰と諸葛勤がふと気付いた。八神のそうしたことにだ。
「戦うことはされますけれど」
「そんなことは絶対に」
「弱い奴をいたぶる趣味はない」
これが八神だった。そうした意味で暴力は好まないのだ。
そしてだ。また言うのだった。
「敵を倒し殺すことはあってもな」
「その代わりな、こいつはな」
「すぐに裏切る」
ビリーと影二が忌々しげにだ。仲間達に話した。その八神を見ながらだ。
「戦いが終わったら注意しろよ」
「我等はそれで痛い目を見た」
「俺は最初から仲間とは思っていなかった」
その時のことをだ。実に淡々と述べる八神だった。
「だからだ。それはだ」
「当然だってのかよ」
「仲間でないならばか」
「そうだ。あの時は後始末をしただけだ」
特に裏切りとも思っていないのだった。
「それだけのことだ」
「今はどうなのだ?」
太史慈は警戒する目で八神を見つつ問い返した。
「我等を仲間でないと思っているのか」
「さてな。しかし少なくともだ」
「今は、か」
「こいつを殺す方が先だ」
草薙を見てだ。そうしての言葉だった。
「そしてそれは元の世界でのことだ」
「貴殿のか」
「少なくともこの世界でのことではない」
「わかった。そういうことだな」
その話を聞いてだ。静かに述べた太史慈だった。
そしてそのうえでだ。彼女はだ。
こうだ。その八神に告げたのだった。
「だが。それでもだ」
「俺がこの男を殺すことはか」
「容易ではないぞ」
「実力故にか」
「貴殿等の力は拮抗している」
太史慈以外の者にもわかった。このことはだ。
そして八神もその言葉を受けてまた言ったのだった。
「楽しみは長くあった方がいい」
「楽しみ、か」
「俺はこの男を必ず倒す」
草薙も見据え返している。二人の対峙は今も行われていた。
そしてその中でだ。八神は言ったのだった。
「生涯をかけてな」
「へっ、そう簡単にやられはしないさ」
草薙もだ。見据え返していた。言葉もだ。
そうしつつだ。彼も八神に対して述べる。
「手前は一生かけてねじ伏せてやるさ」
「俺を倒すというのか」
「何度も何度も倒してやるさ」
「そうするというのだな」
「そうさ。俺も一生戦ってやるさ」
「ではだ。言っておく」
八神は再びだ。草薙に言うのだった。
「陣なぞに倒されぬことだな」
「俺にはユキがいるからな。絶対に元の世界に帰ってやるさ」
笑みで言う草薙
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