第九十話 合宿最後の日にその八
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「どれだけ嫌か」
「そうしたことがわからない風になったら」
「まともな親御さんだとね」
そうした輩の親がというのだ。
「泣くよ」
「自分達の子供はこんなに馬鹿なのかって」
「それでこんな馬鹿を育ててしまったかってね」
「泣きますね」
「そうなるよ、馬鹿にも色々あるけれど」
様々な種類があるというのだ。
「けれどね」
「こうした場合はですね」
「もうね」
それこそというのだ。
「最悪の馬鹿だよ」
「人の痛みや苦しみがわからず」
「わかろうともせずね」
「命の重みもわからないなら」
「生きていてもね」
人間としてというのだ。
「仕方ないよ」
「だからまともな親御さんならですね」
「泣くよ」
それこそというのだ。
「こんな馬鹿な子供を持ったのか」
「それで育ててしまったのかって」
「そう嘆いてね」
「そうですよね」
「人間それ位の痛みや悲しみはわからないとね」
テロで理不尽に殺された人達それに残された遺族の人達の感情がというのだ。
「生きていても仕方ないよ」
「本物の馬鹿だから」
「馬鹿も馬鹿でね」
「最悪の馬鹿ですよね」
「そうした奴に限って死刑反対とかね」
「言いますよね」
「政府がやるね」
そうしたというのだ。
「死刑はね」
「それって法律に基づいてますね」
「うん、それで取り調べてね」
「裁判も行って」
「そのうえでのことでね」
それでというのだ。
「そりゃ冤罪もあるかも知れないよ」
「どうしても」
「けれどね、人を何人も殺した凶悪犯とかね」
「死刑にしても」
「反対するんだよね」
「政府がやったらですね」
「権力が行うならね」
それならというのだ。
「テロで殺される人はどうでもよくても」
「ただ単に政府っていう権力が嫌いなんですね」
「つまり無政府主義なんだよ」
こうしたことを言う輩はというのだ。
「だから政府という権力がなかったら」
「それでいいんですね」
「けれどそうした世界になったら」
「リアルでモヒカンがバイクで走り回る世界ですね」
「そうなってね」
「余計に悪くなりますね」
「それこそ法律じゃなくてね」
それが秩序を形成するのでなくというのだ、こうした在り方の国家のことを法治国家と呼んでいる。
「暴力がね」
「支配する世の中になりますね」
「本当に核戦争後の世界か」
モヒカンがバイクで走り回る様なというのだ。
「大震災の後のね」
「関東ですね」
「それか魔界都市だよ」
「そうなりますよね」
「それで弱い人はね」
「大変なことになりますね」
「そしてそんなこと言う人こそね」
まさにというのだ。
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