第九話 風使その十六
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「日本酒も飲めるわ、むしろ」
「むしろ。何かしら」
「和食に最も合うお酒となると」
それならばというのだ。
「もうね」
「日本酒ね」
「日本酒は和食に合う様に造られていって」
「和食もね」
「日本酒に合う様に創られていっているから」
それ故にというのだ。
「和食にはよ」
「日本酒ね」
「他にはないわ」
「そうね、ではね」
「ええ、私も日本酒にするわ」
「それではね」
「僕も日本酒をお願いします」
??は興味を持った風に申し出た。
「日本酒は前にも頂いて懐石料理もです」
「食べたわね」
「ですが両方の組み合わせははじめてなので」
??としてはというのだ。
「ですから」
「ええ、それでは貴方もね」
「宜しくお願いします」
懐石料理と日本酒をというのだ。
「どうか」
「ではね」
「お願いします」
「それではね」
「はい、それとですね」
??はさらに言った。
「デザートもありますね」
「勿論よ、桃があるわ」
「桃ですか」
「とびきり上等のね」
??に笑顔で話した。
「食後、最後はね」
「桃ですか」
「それを食べるから」
だからだというのだ。
「楽しみにしておいてね」
「わかりました」
「戦うことになるけれど」
地の龍としてだ、庚はそれでもと仲間達に話した。
「皆死なない、そして無駄にね」
「命を奪わないことですね」
「人間を滅ぼすにしても」
「僕達は」
「そうしてね、そのうえで最後まで戦っていきましょう」
こう言って今度は懐石料理と酒を楽しんだ、地の龍の者達もまたお互いの絆を深めていっているのだった。
第九話 完
2022・12・23
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