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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
合体魔法
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実だ)

一か八かの賭けに出るしかないかと考えていたところ、隣に立つ少女が俺の手を取り、握り締める。

「シリル、いつでも私は一緒にいるからね」

迷いのないその目を見て、俺はキョトンとしてしまった。敗北に近付いていることを悟っての言葉だったのか、はたまた何かを思い付いての言葉だったのかは何もわからない。しかし、少女のその言葉は俺の胸にしっかりと届き、一つの考えに至った。

「ウェンディ!!ありがと!!」
「え?」

その発想に至るきっかけをくれた彼女の両手を握り返すと、ウェンディは何事か分からず呆けている。俺は彼女のそれを握り締める手により力を込めていく。

「俺はいつだって誰かに助けられてきたから勝ってきた。でも、今回はそうじゃない」

ティオスとの戦いの時、全員から魔力を預けられ、カミューニさんとラクサスさんが時間を作ってくれたおかげで勝利を納めることができた。それ以外にもいつでも皆さんの手助けがあったから勝つことができたけど、今回に関してはそれでは勝てない。

「俺と意志を合わせて!!ウェンディ!!」
「意志を?」
「そう!!俺とウェンディの力を合わせて、あいつを倒す!!」

ウェンディに助けてもらいながらトドメを刺すのではなく、ウェンディと力を合わせて勝ちに行く。この限られた条件の中でこいつを倒すには、もうそれしかない。

「うん!!わかった!!」

俺の考えを読み取ってくれたらしく、ウェンディも手を握り返してくれる。俺たちは手を握り合わせたまま天使に向き合うと、二人の魔力と意志を合わせるように高めていく。
















第三者side

次第に高まっている二人の魔力。しかもそれはバラバラにではなく、一つのもののように合わさっていくのを目の前の天使たちも気が付いていた。

「な・・・これは・・・」

レオンとシェリアと対するウィバリーは自身の脳内にあった二人の魔力の限界値を上回っていくそれに戦慄していた。

「まさか・・・こんなとっておきを隠していたのか?」

シリルとウェンディと対する天使もそれが何を起こそうとしているのかを察知し、額から汗が流れ落ちる。

合体魔法(ユニゾンレイド)・・・これが使えるなんてデータはなかったはず・・・」

二人の意志と同じように魔力が次第に合わさっていき、彼らから見てもとてつもなく大きなものになっていることがわかる。それは自分たちではどうしようもないほどに。

(私が見落としていた?いや、そんなことはありえない。つまり・・・)

まだまだ上がり続けるレオンとシェリアの魔力。それを見てウィバリーは突進を試みた。

(この魔法は初の試み。まだ練り上がるまでに時間がかかるはず!
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