合体魔法
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第三者side
ドラゴンフォースを解放した二頭の小さき竜。それを見た天使はいまだに違和感のある腕をグーパーと動かしながら戦況を整理していた。
(かつてこの世界の支配者となっていたドラゴン。この世界においては絶大な力を持っていたと聞くが、それは我々に通用するとは思えない)
舐めているわけではない、彼らからすればそれは紛れもない事実。しかし、そうであっても油断が許される状況ではないことも確か。
(向こうも負傷しているがこちらもかなりダメージを受けている。次に一撃を食らえば、ただではすまないかもしれない)
一瞬不安が心を支配したタイミングで動き出すシリルとウェンディ。二手に別れた彼らを見て天使はすぐに視線を動かす。
(注意すべきはシリル!!普通の人間では私にダメージを与えることはできないのだから)
ウェンディの攻撃は受けても無効化される。そのため何よりもシリルの対処が重要視されると判断した天使は彼に視線を向けるが、彼は距離を詰めてこようとしない。
(動かない?何を狙って・・・)
彼の動きに注視していたところ、背後からの気配に気が付きすぐさま振り向こうとする。しかし、それよりも早くウェンディの蹴りが彼の頭部を捉えた。
「ぐっ!!バカな・・・」
本来なら攻撃が当てられてもダメージを受けることはないはずなのに、少女の蹴りは自身へと多大な影響を与えていることに気が付き、その姿を捉えようと顔を動かす。
「竜魔の鉄拳!!」
「!?」
その隙を突いて今度はシリルの拳が突き刺さる。死角からの攻撃に対応することなどできるはずもなく、天使はバランスを崩す。
「天竜の・・・」
「竜魔の・・・」
「「咆哮!!」」
次の動き出しができるような体勢ではない天使に追い討ちをかけるように放たれるブレス。その攻撃は決定打とまではいかなかったが、確実に天使は追い込まれていた。
「なぜ・・・君の攻撃が・・・いや・・・」
天使の血が入っているシリルの魔法にダメージを受けていることは理解できる。しかし、そうではないはずのウェンディの攻撃がなぜ自身に影響を与えているのか、彼には理解できていなかった。
しかし、二人の足元にある魔法陣を見て、その謎はすぐに解明された。
「付加魔法か」
自分たちの能力の底上げのみならず他者の魔法の性質も付加することができるようになったウェンディ。彼女はシリルの天使へ影響を及ぼすことができる力を自身へと付加していたのだ。
「まずい・・・このままでは・・・」
視界がぐらつく。もうすでに手加減など彼はしていない。最悪の事態を起こしてもいいから、とにかくシリルを連れて帰
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