第二章
[8]前話
「本当にわかるからな」
「何でゴリララーメンだってか」
「じゃあ食ってみろよ」
「それじゃあな」
「ああ、食おうな」
佐々木は自分の生卵が入ったラーメンを食べはじめた、そして大久保もそうしたが。
麺をすすってからスープを飲んですぐに言った。
「このスープは」
「鳥ガラでも豚骨でもないだろ」
「魚も使ってないな」
「もう完全にな」
「野菜とか海草とかでな」
「ダシ取ってるんだよ」
「精進ものか」
大久保はスープまですすって言った。
「これは」
「ああ、ゴリラって実は菜食主義だろ」
「肉とか魚は一切口にしなくてな」
「そうした生きものだからな」
「それで精進もののラーメンならか」
「ゴリラになったんだよ」
「そういうことか、何かって思ったら」
大久保は佐々木にしみじみとした口調で話した。
「精進のラーメンか」
「そうだよ、それはそれで美味だろ」
「そうだな、いけるな」
「何かと思ってもな」
佐々木は自分のラーメンを食べながら笑顔で話した。
「けれどな」
「それでもだよな」
「美味いだろ」
「これがな、お前も食ったことあるんだな」
「前な、それで言えるんだよ」
「そういうことか、じゃあな」
「ああ、食うな」
笑顔で言ってだった。
大久保は佐々木と共にそのラーメンを食べていった。そのラーメンは一見壊そうだが実はヘルシーだった。それで彼は食べながらまさにゴリラだと思った。
そしてだ、彼は食べ終わって店を出てから佐々木に言った。
「味も名前もいいラーメンだったな」
「そうだろ、だからあの店の名物になってるんだよ」
佐々木は大久保に笑顔で話した。
「名前にインパクトがあってな」
「味もよくてか」
「それで健康的ってことでな」
「成程な、ゴリラって実は優しいしな」
「あのラーメンもそうだっただろ」
「怖いのは名前、外見だけで
「実はそうなんだよ、じゃあ俺も今度な」
佐々木は自分の隣にいて共に歩き会社に帰っている大久保に話した。
「あのラーメン食うな」
「そうするか」
「ああ、前喰って美味かったしお前が美味そうに食ってたしな」
「それでか」
「今度は俺もな」
「そうするか、じゃあ俺もまた食うな」
二人でこう話してだった。
今は共に会社に帰った、そして午後の仕事に励むのだった。
ゴリララーメン 完
2023・3・20
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