暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアGX編
キャロルとエルフナインの穏やかな一日
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、厨房からガルドとセレナが見守っていた。

「キャロルちゃんて、普通に良い子なんだよね」
「あぁ。父親の事が無ければ、あんな事にもならなかったのだろうがな」

 下に恐ろしきは無知な民衆の暴走である。過去にキャロルの父・イザークを手にかけた者達に、もう少し知識があれば或いは違った結果になっていたかもしれないのに。
 とは言えそんなたらればに意味はない。今彼らに出来る事は過去を悔いる事ではなく、これから先の未来を少しでも良くする事なのだから。




 その後も、エルフナインとキャロルは共に過ごしていた。

 朝食後はアルドの工房へと戻り、今度はキャロルも交えてアルドの手伝いをしていた。と言っても今のキャロルには錬金術の知識は無いので、出来る事は専ら頼まれた本や資料を持ってきたりする事位だが、外に出れない彼女にはこうして何かする事があると言うのは大きな意味を持っていた。少なくともハンスの身を心配して気を揉むだけの時間を過ごさなくて済む。

 区切りが付いたら今度は装者や魔法使い達の訓練のサポート。過去の戦闘の結果を基にシミュレーターを組み、その訓練の結果を纏めて次に反映させる。
 その際にキャロルを気に掛けている響は矢鱈と彼女に干渉し、堪らずキャロルが奏の後ろに逃げたりとちょっとした騒動があったがそんなのは最早何時もの事となっていた。

 昼食を挟んで午後になれば、待っているのはこれまでの事件の資料の纏め。これは本格的にキャロルには出来る事が無いので見ているしかなかったのだが、何もしないで見ているだけと言うのはやはり居心地が悪いのか気付けば了子の後ろにくっ付いて資料を運んだり、あおいと共に給湯室でコーヒーを淹れたりしていた。

 小さい体で忙しなく動き回る、エルフナインとキャロルの様子を颯人は持ち込んだ椅子に座りドーナツを齧りながら眺めていた。

「頑張るねぇ……あれくらいの子なら普通は学校行って遊ぶのが普通だってのに……」
「そうも言っていられんさ。エルフナイン君にしてもキャロル君にしても、境遇が普通ではないからな。こんな言い方をしたくはないが……」
「ま、分からなくはないがね。外に出せないのも、保護観察ってだけじゃないんでしょ?」

 事件の首謀者であるキャロルは記憶を失っているが、その事を詳しく知っているのは基本的に彼らS.O.N.G.とS.O.N.G.に深く関わりのある一部の人間のみ。それ以外からすればキャロルは無力化された錬金術師の小娘に過ぎない。
 迂闊に外に出せば、アメリカを始めとした諸外国のエージェントの餌食となってしまう事は想像に難くなかった。

「ま、八紘兄貴が動いてくれてるらしいから、その心配ももう直ぐ無くなるだろうがな」
「俺の予想だと、もう心配いらないと思うけどな〜」
「ど
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ