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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアGX編
キャロルとエルフナインの穏やかな一日
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らアルドはそう言って、キャロルを椅子から立たせた。そしてハンスの布団を掛け直してやると、エルフナインとキャロルを連れて医務室を後にした。

「あの、何時も思うんですけど、もしかして僕って邪魔でした?」

 今更ながら、視線に敏感なアルドを前にあそこまで凝視しては逆に邪魔をしていないかとエルフナインは不安に駆られる。そんな彼女に、アルドは頭を優しく撫でる事で答えた。

「その様な事はありませんよ。声を掛けたり触れてくるならともかく、ただ見られているだけで気を散らすほど柔な集中力はしていないつもりです」

 実際エルフナインからの視線に気付いてはいたが、それが気になるほどと言う事は無かった。同時に2冊の本を読んで内容を頭に叩き込めるほどのマルチタスクが可能なアルドにとって、ただ見られているだけ等そよ風が吹く程度の刺激にしかなり得ない。

「さ、そろそろ食事の時間です。お2人は先に食堂へ向かってください」
「分かりました。行こう、キャロル」
「あぁ……今日も、ありがとう。また、よろしく頼む」

 アルドの言葉にエルフナインはキャロルの手を引き、キャロルは何処かたどたどしくもハンスの治療の礼を口にして食堂へと向かっていた。アルドは2人の背を優しく見送り、自分の工房へと戻っていく。

 エルフナインとキャロルが食堂に着くと、既に何人かの職員がトレーに食事を乗せて席についていた。2人もそれに続く様に、トレーを持ち厨房に続くカウンターの前に立った。

「ガルドさん、おはようございます」
「あぁ、おはよう」
「エルフナインちゃん、キャロルちゃんもおはよう」
「お、おはよう……」

 礼儀正しく挨拶するエルフナインに対し、キャロルは何処となく居心地が悪そうに見える。敵対していた記憶も無くなっている筈だが、単に恥ずかしがっているのかそれともセレナの笑顔が眩しすぎたのか。

 2人の分の朝食を皿に乗せながら、ハンスはキャロルは案外人付き合いが苦手なのではないかと考察した。

「ほら、お待たせ」

 考えつつガルドは目玉焼きと付け合わせの茹で野菜、焼いたベーコンの乗った皿を2人のトレーに置いた。その隣にはトーストされた食パンが二切れにバター。
 皿に乗った目玉焼きを見たエルフナインは思わず目を輝かせた。

「あっ! 黄身が……!」
「運良く双子が二個あったんでな。2人にサービスだ」

 エルフナインとキャロル、2人のトレーの上にはそれぞれ黄身が二つの目玉焼きが乗っていた。滅多にない偶然に、エルフナインだけでなくキャロルも見た目相応に目を輝かせていた。

「ありがとうございます! さ、キャロル!」
「あぁ。あ、ありがとう……」

 2人は揃って席へと座り、小さな幸運に顔を綻ばせている。そんな彼女達の様子を
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