第二章
[8]前話
キャンプに参加している日本人の小学生大東正明黒髪をショートにしたあどけない顔立ちの彼はこうジョンソンに言った。
「蚊に刺されたら痒いから嫌だけれど」
「どうしたのかな」
「うん、そんなに怖いのかなって」
首を傾げさせて言うのだった。
「思うけれど」
「いや、怖いんだよ」
ジョンソンは大東に真面目な顔と声で答えた。
「君は日本脳炎の予防注射を受けているね」
「学校でね」
大東は素直に答えた。
「ちゃんと受けたよ」
「あれは蚊からうつされるんだ」
感染するということを子供にもわかる様に話した、実はジョンソンはそこまで日本語が堪能であるのだ。
「そうなるからね」
「それでなんだ」
「この病気は命に関わるんだ」
感染してしまえばというのだ。
「そして日本以外の国にはマラリアなんて病気もあるしね」
「マラリア?」
「日本脳炎より怖い病気だよ」
ここでも子供にわかりやすく話した。
「マラリアはね」
「その病気になったら死ぬの?」
「そうなる可能性が凄く高いんだ」
こうわかりやすく話した。
「本当にね」
「そうなんだ」
「だからね」
「蚊は怖いんだね」
「だから出来るだけ刺されない様にして」
感染症になってしまわない様にというのだ。
「注射も大事だけれどね」
「まず刺されないことだね」
「そう、そのことに注意しないと駄目なんだ」
こう話すのだった。
「それでなんだよ」
「そうなんだ、死ぬと思ったら」
大東もそう言われて真剣な顔で頷いた。
「僕もわかったよ」
「そうだね、それじゃあね」
「蚊に刺されない様に注意するよ」
こう言ってだった、彼は蚊よけのスプレーを撒いた、ジョンソンはその彼を見つつ夕食の場に置いた蚊取り線香に火を点けていった、そうして蚊に刺されない様にした。後日蚊を媒体とした感染症に感染した者はおらずじょんそんはキャンプが楽しかったこともあり心からよかったと思ったのだった。
蚊を馬鹿にするな 完
2023・3・19
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