第二章
[8]前話
「選手にもなれて」
「パラリンピックにもか」
「出られるのよ」
「そんな話は別の世界のことだと思っていたけどな」
「明音もね、出来るのよ」
「そうなんだな」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「やらせてよかったでしょ」
「最初は本当に大丈夫だと思ったけどな」
「今はそう思うわね」
「心からな」
龍之介は真彩に答えた、そして明音に水泳についてよかったと聞くと満面の笑顔でこう言われたのだった。
「よかったよ、それでこれからもやっていきたいわ」
「そうか、お前もそう言うならな」
本人の返事を聞いてそれならと頷いた。
「頑張れよ」
「大会でも頑張るね」
「ああ、応援に行くな」
「お母さんも行くわ」
「私もね」
母に妹も言った、そして旅館の旦那と女将の祖父母もだった。
明音の大会に応援に行った、そして彼女が立派な成績を残したのを見てそれで龍之介はまた言った。
「これからもな」
「ええ、明音の水泳観ていきたいわね」
「優勝しなくてもいいんだ」
龍之介は真彩に話した。
「ただな」
「泳いでいるということがなのね」
「ああ、それがな」
そのこと自体がというのだ。
「いいんだ、だからな」
「これからも」
「あいつがやりたいだけな」
「泳いでいいのね」
「そうしてもらってな」
「観ていきたいのね」
「ずっとな」
笑顔での言葉だった、そして彼はこの言葉通り娘の水泳を観ていった。それは彼女が成長し大学を出て就職して結婚してからも続き。
立派な選手として活躍している娘のことを一家で大切にした、そのうえで周りに身体がどうでもスポーツは楽しめることを話していった。
障害者水泳 完
2023・3・18
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