エイプリルフール番外編 「夢」その2
[1/29]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ナツっ!」
バッと布団から上半身を起き上がらせて覚醒したイズミは開口一番ナツの名を呼んだ。
「…ここは…?」
「日向宗家の屋敷だ」
「ナツッ!」
居ても立ってもいられなかったのか、イズミは飛び上がるように掛けるとナツに抱き着いた。
「ナツ…よかった…よかったよぉ…」
「お、おおう。いつになく積極的だなっ」
と言うナツの軽口にいつもなら反撃が有るはずなのに嗚咽を漏らしてただ小さく震えているイズミ。
ポンポンとイズミの肩を叩くとようやく落ち着いたのか恥ずかしくなったようで、なぜか殴られた。
「っぁ…お、お母さんは…」
「…暗部の遺体回収班が見つけたよ」
「そんなっ…お母さん、…お母さん…」
イズミの両目から涙が零れ落ちる。
「俺がもう少し速く駆けつけていれば…」
と言ってイズミを抱きしめた。
「ううん…ナツの所為じゃ…っ…ないよ…むしろナツが来てくれなかったら…私…」
ポンポンと後ろ頭を抱きしめる。
「お母さんが唯一の肉親だったものな…俺ももう両親は居ないけど…」
「…っ!」
俺の言葉に両親が居ない子供は珍しくないと言う忍者の世界の現実を思い出し、ビックリしたのか涙が止まったようだ。
「小母さん…ちゃんと弔ってやろうな」
「うん…うんっ…」
ようやく気持ちもほんの少しだが切り替えられたようだった。以前父親を亡くしている事も理由の一つだろう。
「とりあえず、今日からイズミは俺の家で暮らすように」
「はぁ?なんでよっ!」
「それはお前が俺の嫁さんになったから…あだっ!」
「私が、いつ、あんたの、嫁に、なったっ!」
「痛い痛い痛い…もうちょっと手加減して、これでも俺は一度死にかけたのよ…?」
「…っそうだ、イタチくんっ!」
「…話はイタチだけの問題ではないのだが」
しかし、いつかは知らねばならない問題。
現状でも知り得る事実だけをイズミに伝える。
うちは一族の壊滅。そしてイタチの里抜け。
「そんな…どうして…」
ふらりと倒れ込むイズミを支えるナツ。
「クーデターを企てていたと言う噂もある。…イタチが何を思ってこんな事をしたのかは分からない。が、生き残りはお前とサスケだけだ」
それと張本人でるイタチだが、彼はもう木ノ葉には居ないだろう。
「そんな…」
しばらくするとベッドで休んでいるイズミの元に日向の家の者が用事を伝えにやって来た。
開いたふすまから入ってきた人物は動物のような仮面を着けている所を見ると暗部なのだろう。
「火影様が呼んでいます。どうかご同行ください」
「火影様、が?」
うちはの数少ない生き残り、
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ