第六百九十話 カロリーは高いがその十
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「努力しないと」
「駄目だね」
「ええ」
またベンに話した。
「そう思うわ」
「そうだね」
ベンもそれはと答えた。
「本当に」
「そうよね」
「いや、奥さんに逃げられて」
「それで教会のお世話になって」
「それで教会の悪口言う様になって」
「それでも働かないで」
「挙句借金まで作って」
その人の過去をここで二人でまとめる様にして話した。
「ホームレスになって」
「教会が探してくれて保護してもらって」
「また教会のお世話になっても」
「それまでにお隣さんでそうしたことをして」
上がり込んで大飯を食らって風呂に入ってまた大飯を食らって親から金を貰って帰ってその途中人の部屋で本を漁ってというのだ。
「それでまた教会の悪口を言う」
「本当に何処が偉いのか」
「生きていて誰かの役に何かしたこともなくて」
「偉いどころかね」
「無能で」
「恰好悪いわね」
ルーシーはここでこう言った。
「あの人」
「ああ、そう言われるとね」
ベンもそれはと応えた。
「かなりね」
「恰好悪いわね」
「そうだね」
ルーシーの言葉に頷いて応えた。
「本当に」
「そうよね」
「その生き方がね」
「これ以上はない位にね」
「恰好悪いね、言われてみると」
「ええ、誰かの為にするとか」
「そういうのはなくて」
それでというのだ。
「何も出来なくてね」
「何もしなくて」
「その癖ふんぞり返っていて」
「しかも図々しくてね」
「人に寄生していて」
それでというのだ。
「尚且つ文句ばかりで」
「自分のことばかりで」
「中身何もない感じだから」
自分はどう思っていてもというのだ。
「本当に。これ以上はないまでに」
「恰好悪いでしょ」
「うん、そう思ったら」
ベンは真剣な顔で述べた。
「ああした人には絶対にね」
「なりたくないわね」
「間違ってもね」
それこそというのだ。
「なりたくないよ」
「とんでもなく格好悪いから」
「何があってもね」
「誰の役にも立ってないっていうけれど」
ここでこう言ったのはクララだった、ふと何かに気付いてそのうえで考える顔になってそのうえで兄に話した。
「役に立ってるわよ」
「そうかな」
「だって誰もああはなりたくないって思うでしょ」
「あの人を見るとね」
「はっきり言って最低だから」
クララもこう言った。
「私が見てもね」
「ああ、反面教師だね」
ベンはクララが言いたいことを察して頷いた。
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