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八条学園騒動記
第六百九十話 カロリーは高いがその八

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「勝手に尊大になったり恩知らずでもね」
「なかったから」
「色々やらかした人だけれど」
「あの人よりましね」
「それであの人がいたら」 
 劉邦、彼がだ。
「人が集まったんだよ」
「そう言われてるわね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「それで天下を獲った様なものだよ」
「自然と人が集まるから」
「それで話もね」
「よく聞いたわね」
「あの人は自分の言うことだけで」
「人の話はね」
「聞かなかったけれど」
 それでもというのだ。
「劉邦さんはね」
「よく聞いて」
「それで受け入れたしね」
「そこも違うわね」
「それで皇帝になったよ」 
 漢王朝の初代皇帝にである。
「あの人は」
「そうだったわね」
「そういうの見たら」
 それこそというのだ。
「あの人はね」
「凄いわね」
「この人が偉いというのはね」
「紛れもない事実ね」
「というか大人物と言っても」
 その様にというのだ。
「いいよ」
「劉邦さんは」
「けれどあの人はね」
「誰も寄って来ない」
「そうしたね」
 まさにというのだ。
「何処が偉いってね」
「なるわね」
「全然偉くないから」
「誰も寄って来ないで」
「お呼ばれもしないで」
「相手にされなかったのね」
「こんなの普通にだよ」 
 それこそとだ、ベンは話した。
「子供だってね」
「わかることだね」
 トブも言った。
「僕達だって」
「そうだよね」
「それで何で自分がこの世で一番偉い」
「そう思えるか」
「それはね」
 本当にというのだ。
「理解不能だよ」
「僕もだよ」
 ベンは弟に話した。
「というか無能だよね」
「そう言っていいね」
「完全にね」
「何をしたこともなくて」
「何も出来ないから」
 そうした輩だからだというのだ。
「言うならね」
「無能だね」
「まさにそれで」
「偉いか」
「全然よね」
「逆にそう思えるのがわからなくて」 
 それでというのだ。
「ある意味凄いよ」
「そうだね」
 ベンは弟の言葉に頷いた。
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