二人ならきっと
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「ウェンディ?」
私の声に気が付いた彼は動きを止め、私を横目に見ています。そんな無防備なシリルの頬に私は自分の唇を押し付けました。
「っ!?////」
何が起きているのかわからず頬を抑えて顔を赤らめるシリル。そんな彼の顔を覗き込みながら、私は素直な気持ちを伝えました。
「無理しなくていいよ、シリル。シリルには私が付いてる。私がシリルの力になるから、だから・・・」
言いながらも涙が溢れてきて、言葉に詰まってしまいました。そんな私を見てシリルは冷静さを取り戻したのか、私のことを抱き締めてくれました。
「ありがとう、ウェンディ。俺、ちょっと焦ってたかも」
いつものような可愛らしい笑顔を見せてくれたシリル。そんな彼を見て私も笑顔になりました。
「こいつを倒すよ、俺たち二人で」
「うん!!力を合わせよう!!シリル!!」
彼の横に立ち相手を見据えます。天使は私たちが話をしている間に曲がっていた腕を無理矢理正常な方向へと戻していました。
「ギリギリ動く。動くなら、私は負けない」
自身の力に絶対の自信を持っているのでしょう、彼はこの状況でも冷静さを失っていません。でも、もうさっきまでのようには行かない。
「さぁ!!行こう!!ウェンディ!!」
「うん!!頑張ろう!!シリル!!」
拳を互いに合わせて意志を確認すると、さっきまでの不安や恐怖が嘘のように身体に力が漲ってきます。
そしてそれは私だけではないようで、シリルも余裕を見せるように笑みを浮かべており、そのおかげでますます私はやる気が出てきました。
「はぁっ!!」
ドラゴンフォースを解放し魔力を最大まで高めていきます。この戦いの最終局面、絶対に勝ってみせる!!二人ならきっとそれができるはずだから!!
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