二人ならきっと
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すぐに正気を取り戻し笑顔を見せる。そして彼はあたしの手を掴むと、ギュッと握りしめてくれた。
「ありがと。シェリアがいてくれたら、俺に怖いものなんてないね」
「あたしも!!レオンとならなんだってできるよ!!」
二人の合わさった手から力が漲ってくるのがわかる。あたしたちはその手を離すと、目の前の脅威へと視線を向けた。
シリルside
「あ・・・う・・・」
天使の手にますます力が入っているのが遠目からでもわかる。それによりみるみるウェンディの顔から生気が抜けているのも。
「どうする・・・いや・・・」
何が正解かわからず動き出せずにいたが、そもそもそれが間違いではないかと思った。今俺が付いていけば全てが丸く収まるかと言えばそうではない。確実にウェンディに悲しい想いをさせてしまう上に、今戦っているレオンや敵を倒してくれたグラシアンさんの努力を無下にしてしまう。
「となれば俺がやるべきことは・・・」
地面を蹴り天使の間合いへと一気に詰める。彼はこちらへ大半の意識を向けていたこともありすぐに反応をしてきたが、俺はそれを上回る術をまだ残している。
「はあっ!!」
ドラゴンフォースを解放しさらなるスピードを手にいれた俺はウェンディを掴んでいる相手の腕を殴り付ける。
バキッ
パキッ
「ぐっ」
「くっ」
嫌な音が相手からも、俺からも聞こえてきた。天使は曲がった腕に力が入らなくなったのかウェンディを離すと、俺は痛む手を伸ばし彼女を受け止める。
「大丈夫?ウェンディ」
「うん、私は大丈夫だけど・・・」
赤く腫れ上がっている俺の手を見て心配そうな表情を見せるウェンディ。本当はかなり痛いし彼女に治癒魔法をかけてもらいたいところだけど・・・
「ふんっ」
至近距離にいる天使がそれを許すわけがない。彼は折れているはずの腕を振るってこちらへ裏拳を放ってくるが、ウェンディを抱え込むように小さくなり何とか回避すると、その隙を付いて距離を取る。
「ウェンディ、動けそうになったら手伝って」
痛いことは痛いけどなんとか力は入れれる。変な音や違和感があるがそうとは言っていられない状況なのも確か。ここは無理を場面だろう。
「竜魔の顎!!」
両手を握り合わせて攻撃を打ち出す。天使はそれを避けたため地面に俺の手が突き刺さる。
「っ・・・」
予想を超える痛みに表情が歪む。しかし相手からの反撃はない。恐らく向こうも相当痛みを耐えているからに違いない。
「竜魔のーーー」
相手から攻撃が来ないならこちらが攻めに回れるチャンス。この好機を逃がさないために俺は痛む身体にムチを打ち、追撃へと
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