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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
二人ならきっと
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「よそ見してる場合じゃないよ」
「!!」

魔力を纏っていた拳により飛ばされた俺を心配して視線を敵から切ってしまったウェンディ。それを相手は見逃すことなく、彼女の脇腹に回し蹴りを入れる。

「きゃあ!!」

反応することもできず壁に打ち付けられるウェンディ。そんな彼女の身体が地面に落下するよりも先に天使はその細い首を掴み持ち上げる。

「ウェンディ!!」

先程の一撃からようやく立ち上がることができた俺は最愛の少女の名前を叫ぶ。そんな俺の方へと天使は顔を向けると、冷めた表情で口を開いた。

「我々は他の世界の住民を殺すことは本来禁じられている。だが・・・」

冷めきった目のまま突然口角が上がる天使。それを見た時、全身から鳥肌が立つのがわかった。

「その罰を全て私が受け入れる覚悟さえ持てれば、大した問題にはならない」

罪を犯せば罰せられる。そのため誰もがそれに従わざるを得ないはずなのに、天使はそれを受け入れることで掟を破るという。そしてこれはハッタリではない、目を見ればわかる、こいつは本気でこんなことを言っている。

「正気か・・・」
「あぁ。だが安心してもらっていい」

ウェンディの首をなおも締め上げながらこちらへと視線を向ける。

「もし君が我々と付いてきてくれるなら、彼女の命を奪うことはしないよ」
「っ・・・」

ウェンディを人質に取られた俺は奥歯を噛みながら頭の中をフル回転させていた。
















シェリアside

「がっ・・・」

レオンの腹部に突き刺さる相手の拳。その姿が一年前のあのシーンと重なり、あたしは思わず口元を押さえる。

「レオン・・・」

衝撃的な場面に声すら出ない。最悪の事態が脳裏を過るが、彼は空中で身体をうまく回転させると地面に着地し事なきを得る。

「ぺっ・・・クソッ」

口内にあった血液を吐き出し天使を見据えるレオン。その表情を見た時、あたしは背筋に冷たいものが流れるのを感じた。

「え・・・」

一年前にフィオーレを混沌へと誘ったティオス。顔が同じだからかと思っていたけど、殺意が浮かび上がっているそれはあの時の存在を彷彿とさせるものだった。

「レオン!!」
「俺なら大丈夫!!大丈夫だから」

あたしの方をチラリとも見ずに突進していくレオン。天使は彼の拳を簡単に払うと、血が滴り落ちる腹部に膝を蹴り込む。

「このっ・・・」

それに怯むことなくブレスを放ったレオンだったが、天使は爆転しながらそれを回避し、彼に指を向ける。

「君は捕虜にしたいからね、眠っててくれ」

そう言いながら放たれたレーザーは彼の肩を貫く。その勢いに負けた彼は後方へと倒れ込んだ。

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