二人ならきっと
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いた男は額を指でかいた後、溜め息をついた。
「まぁ、あまり期待はできないだろうがな」
希望を見出だした青年に聞こえないように小さな声で呟く。彼はわかっていた、かつての友の性格を。
(もし強い奴がいるのなら、あいつは俺を煽ってそいつを真っ先に潰しに行く。恐らく時間がかかる理由は他に何かがあるのだろう)
その理由が何かはわからない。それが気になったが故に青年へ情報を流した彼だったが、予想以上の反応に頭をかかずにはいられない。
(あの二人がそう簡単に負けるとは思えんがな)
天使たちの実力を自身の目で見ていないためなんとも言えないが、戦っている二人の実力は把握している。
(一人なら厳しいかもしれんが、二人が協力し合えれば・・・)
そこまで考えて、思考するのをやめた。彼は大事な点を見落としていることに気が付いたのだ。
「そうか、相手は一人じゃなかったか」
基本的に三人で行動しているという情報がある以上、シリルとレオンが共闘にこぎ着けることは難しい。彼らの性格なら、例え問題が取り払われた後でも各個撃破に走るのは目に見えているからだ。
「おい、早く行こうぜ!!」
「あぁ、わかった」
大分距離が離れてしまった青年の後を追うように歩を進める。しかし決して走ろうとはしない。それを見てカミューニは貧乏ゆすりをしているが、それに気が付いても急ぐことはしない。
(あの二人じゃなくてもいい。せめて複数で戦える状況が作れれば、今のあいつらでもーーー)
シリルside
「竜魔の・・・」
「天竜の・・・」
「「咆哮!!」」
頬を大きく膨らませ一気にそれを解放する。合図をしなくても息があった攻撃ができるのは俺たちならではのコンビネーションだと思う。
「ウェンディ!!」
「うん!!わかってる」
相手の動きは相当速い。恐らくこのブレスは回避される。だけど、この狭い通路ならどこに逃げても追撃は可能。そう思い相手の次の行動を凝視していたところ、天使は想定外の動きに出た。
ダッ
「「!?」」
俺たちの放ったブレスに一直線に駆け出したのだ。この行動は予知できなかったため、動き出すことができない。
「邪魔」
ここからどうやって対応してくるのか見ていると、天使は俺たちのブレスを片手で横に流すように弾き飛ばす。その結果壁が奥の方まで破壊されていたが、彼はそれに見向きもせずに突っ込んでくる。
「竜魔の・・・」
「遅い」
飛び込んでくる相手にタイミングを合わせ拳を握るが、相手は加速が乗った状態。魔力が溜まるよりも早く懐に入られ、そのまま拳を入れられる。
「がっ!!」
「シリル!!」
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