敢闘編
第六十五話 トラーバッハ星域の戦い(前)
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
と言われたのと同意義だからな…。本来ならこの場にロボス親父は居る必要はない。俺が来た、という事が問題を微妙にしている。俺の事を現地のあら探しに来たシトレ親父の代理人とでも思っているんじゃないだろうか…。
頃合いと見てとったのだろう、ミリアムちゃんとフォークが隣の部屋からティーセットを運んで来た。三段のティースタンドなんてお洒落じゃないか…。
お洒落はともかく、隣の部屋にはヤンさんをはじめとする俺のスタッフ達が控えている。この部屋にはあらかじめカメラとマイクが仕掛けられてあって、会見の様子は隣のスタッフ達も観ているんだ。俺も髪で隠して骨伝導インカムをつけていて、元貴族の面々に対する助言をカイザーリング氏から受けるはず、だったのだが…ロボス親父が居るとなると話は変わってくる。
12:45
同ホテル内、マイケル・ダグラス
「ヤン大佐…なんでロボス提督が居るんです?」
「私に分かる訳ないだろう、アッテンボロー」
聞く方も聞く方なら、答える方も答える方だぜ…だがこれでは…あの貴族の面々は言いたい事も言えないんじゃないか?
「どう思う、ラップ」
「都合の悪い事を言わせない為じゃないのか?誰にとって都合が悪いかは分からないが。中佐はどう思います?」
「俺達だけだ、ワイドボーンでいい…貴族達がどうこうより、准将の事を疑っている様な気がするんだが」
「それは何故だい、マルコム」
「マルコムはやめろ!…辺境の司令官が国内の六割近い兵力を握ってるんだぞ。ある意味王様みたいなもんだ、何か勘違いしてたっておかしくはないだろう?」
ヤン大佐はぼんやり、ラップ少佐は明るくて気さく、ワイドボーン中佐は真面目で気難しい。俺の抱いた印象はそれだ。指揮官として、参謀としての顔はまた違うんだろうが…しかしヤマトの奴、なんでパオラを呼んじまったんだ?オットーが切なそうな顔しているの分からねえのか?プライベートはプライベート、任務は任務、信頼出来る人間を集めたんだろうが、こればかりはキツくねえか…。
「何か言い合っているみたいだわ。皆ちゃんと聞きなさい」
皆、はい、じゃないだろう…。パオラの尻に敷かれちまいやがって。カイザーリングのおっさんはクスクス笑ってやがるし全く…。
12:45
同ホテル内、ヤマト・ウィンチェスター
あまり、角は立てたくないんだがなあ、仕方ない。
「失礼ですが、何故提督がこの場に居られるのですか?小官は、提督のお連れの方々とお話したいのですが…」
「私が居ては不都合かね?」
「不都合はありません。ですが提督の顔色を気にして、お連れの方々が言いたい事も言えない…その様な事になっては小官の任務が果たせません」
「その様な事はない、と私は思うが」
「それは閣下のご存念であって、客観的なものではありません
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ