敢闘編
第六十五話 トラーバッハ星域の戦い(前)
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がまた投資を生む…キャゼルヌ少将がいれば上手く説明してくれるだろうが…まあ、今同盟で一番活気があるのは新領土だろうな」
フォークがなるほど、と頷いている所に、話に入って来たのはカイザーリング氏だった。氏は同盟に降伏後、亡命者として同盟にいたのだが、新領土の統治にその知識が活かされるだろうと思って高等参事官のスタッフとして参加してもらった。
「参事官閣下は経済活動にもお詳しい様ですな。大いに結構な事です」
「いや、歴史上の出来事を参考に口に出してみたまでですよ。如何です、久しぶりの帝国の地は」
「不思議な物です。まさか同盟の人間として帝国領域に足を踏み入れる事になろうとは…閣下、もうここは帝国ではありませんよ。言葉にお気をつけてください」
「ああ、そうでした」
「貴族と言うのは言葉尻を捉えて来るのが上手い。言葉一つ一つに注意なさって下さい」
「意地の悪い評定官の様なものですね、気をつけます」
「なるほど、言い得て妙ですな」
カイザーリング氏は笑った。氏には新領土に存在する元貴族階級の人々の、同盟市民としての地位について知恵を借りている。本来なら俺の仕事じゃないが、面倒臭がって誰もやろうとしない。それで俺にお鉢がまわって来た、という訳だ。
元帝国人との折衝なんてやりたがらないのは分かるけれど、何で俺が…。シトレ親父曰く『軍人ではあるが君も役人には違いがない。無任所で、それなりの地位にいて、話が分かる役人など他にいないのだよ。それに君はトリューニヒト氏のお気に入りだから丁度いい』のだそうだ。好き好んでお気に入りになった訳じゃない…そろそろ隣の部屋に移動するか…。
「ロボス閣下、入られます。キヲツケ!」
ん?ロボスだと?
ロボス親父の後にぞろぞろと元貴族の連中が続く…しかし何故ロボス親父が……来てしまったものは仕方ない、同席で話を始めるか。ロボス親父に続く彼等は現在は資産家、という立場に置かれている。立場はそのままでもいいのだが、いきなり同盟市民になった彼等の意識がそう変わる訳でもない。が、同盟市民になってもらわねば困る…その話をしに来たのに…
「休みたまえ。久しぶりだな、准将」
「ご無沙汰しております」
「今日はどのような案件かな?」
ロボスめ…。何しに来やがった?
「はっ。現地の統治状況は報告として上がって来ておりますが、文字と通信だけでは分からない事もある、現地に言って見てこいと言われまして…」
「以前もそう言って此処に来たな君は。中央は何か懸念でもあるのか?」
「はい、統治そのものには懸念はありません。ですが、貴族の方々の同盟での立ち位置を政府は気にしている様です」
「やはり懸念があるのではないか…亡命、という形でよいのだろう?」
ロボス親父からすればいい気はしないだろうな、貴族について何も考えてない、
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